タイヤサイズを変更するときの注意点!許容範囲を知って車検に通るドレスアップを

車のドレスアップの人気の1つとして、タイヤサイズの変更があります。ホイールも好きなデザインに交換し、見た目が大きく変わるので、多くの人が1番最初に手を付けるドレスアップでもあります。しかし、タイヤサイズの変更をする時はいくつかのルールがあり、ルールを守らなければ車検に通らなくなります。

そこで今回は、タイヤサイズ変更の基準や車検に通る許容範囲などのルールについて解説します。タイヤサイズの変更は、その車に合ったサイズを注意して選ぶことが重要です。車検に通る範囲で、自分好みのドレスアップを行いましょう。

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タイヤのサイズを変えるのは違法なのか


タイヤのサイズを変更している車が多いように、タイヤのサイズ変更自体は違法ではありません。車のカスタムで一番とり入れやすいカスタムが、タイヤのサイズを大きくするインチアップというカスタムです。

インチアップとは、タイヤの内径だけを大きくし、外径は変えないサイズアップの方法です。通常サイズよりタイヤの扁平率*を低くすることで、見た目に大きな変化があることや、コーナリング性能が向上するなどのメリットがあります。しかし、タイヤの幅が薄くなるので路面の影響を受けやすくなり、乗り心地が低下するなどのデメリットもあります。
(※扁平率とは、タイヤのトレッド部の幅に対するサイドウォール部の高さの割合のことです。)

手軽に行えるドレスアップとして人気の社外ホイールへの変更ですが、上記のようなメリット・デメリットがあるだけでなく、決められた基準を守らなければ車検に通らなくなるので注意が必要です。

タイヤサイズの基準とは


自動車が公道を走行するためには、道路運送車両法61条で定められた、車検に適合した車である必要があります。タイヤサイズも車検でチェックするポイントで、安全基準を満たしていなければなりません。タイヤは、車が安全に走行するための重要なパーツの一つです。適切なサイズのタイヤ・ホイールを選択することで、車の基本である「走る・止まる・曲がる」の性能の「駆動力・制動力・操舵性」がしっかり確保できるのです。

タイヤサイズの基準を知らずにインチアップし公道を走行すると、車検に通らないだけでなく、道路交通法違反で処罰の対象になったり、整備不要で改善命令が出される可能性があるので注意しましょう。

車検に通らないのはどんなタイヤ?


実際に車検に通らないタイヤとは、どんなタイヤなのでしょうか。ここでは、車検に通らないタイヤについて解説します。タイヤサイズの変更を考えている方は、参考にしてみてください。

タイヤの残溝が1.6mm以下

タイヤの残り溝が、1.6mm以下のタイヤは車検に通りません。タイヤにはスリップサインと呼ばれる印があります。タイヤ側面に△のマークがあり、その延長線上に残り溝1.6mmを知らせるスリップサインがあります。スリップサインが出たタイヤは、車検に通らないだけでなく、タイヤの性能が確保できないことやパンク・バーストといった危険があり、事故につながる可能性があるため早急に交換しましょう。

タイヤ外径変更によるスピードメーターの誤差

タイヤをインチアップした時に、タイヤの外径が変わってしまうと、タイヤの円周の長さも変わるため、スピードメーターに誤差が生じてしまいます。誤差が大きくなってしまうと、走行速度や走行距離が正しく表示されなくなるので注意が必要です。

車検では、スピードメーターの誤差の検査があります。時速40kmで走行させてスピードメーターと実速度の誤差を計測します。以下に誤差の範囲をまとめます。

平成19年1月1日以降に製造された車 スピードメーター40km/hに対し、実速度30.9km/h~42.55km/h
平成18年12月31日以前に製造された車 スピードメーター40km/hに対し、実速度30.9km/h~44.4km/h

製造年により異なりますが、約10km/hが許容範囲となっています。

タイヤサイズ変更により上記の誤差の範囲を超えてしまった場合は、車検不適合となりますので、タイヤの外径を変えないようにタイヤサイズを変更しましょう。

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フェンダーの外にタイヤがはみ出している

タイヤ・ホイールが、フェンダーの外にはみ出している車は車検に通りません。規定によりタイヤ中心から上部「前30°、後50°」の範囲は、タイヤハウス内に収まっていなければなりません。2017年の保安基準改定により、10mm未満であればフェンダーからのはみ出しOKとなりましたが、「タイヤのラベル部分のみ」なので注意しましょう。

フェンダーの外にはみ出すサイズのタイヤを装着している場合、直進は問題なくてもハンドルを切ったときに車体と接触する可能性があります。少しでもはみ出しがあれば、タイヤの破損やハンドル操作の不具合などの危険なトラブルに繋がりかねません。
タイヤサイズを変更するときは、ただ単にインチアップするのではなく、フェンダーからはみ出さないようにサイズを選択しましょう。

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車検に通る許容範囲とは


では、車検に通る許容範囲とはどの程度なのでしょうか。この許容範囲を知ることで、サイズ変更するときに、車検に通るタイヤ・ホイールが選べますので参考にしてみてください。

外形誤差の許容範囲はマイナス3%・プラス2%

タイヤのサイズ変更でインチアップした場合、一般的に外形誤差の許容範囲は、「マイナス3%・プラス2%」とされています。%では分かりにくいという方は、数値を目安にするのが良いでしょう。タイヤ幅を太くする場合は「純正のタイヤ幅プラス20mmまで」、タイヤ幅を細くする場合は「純正のタイヤ幅マイナス10mmまで」が目安となります。

タイヤ幅変更の許容範囲を知るには、まず純正タイヤサイズを知る必要があります。標準空気圧が記載されたシールに、純正のタイヤサイズが書いてあるので確認しましょう。
同じタイヤ幅や扁平率であっても、ホイールによってタイヤがフェンダーからはみ出すことがあります。タイヤサイズの変更や社外ホイールに交換する場合は注意しましょう。

純正タイヤと同じサイズなら安心

社外ホイールを交換するカスタムをする時に、車検対応で走行性能も確保したいのであれば、純正タイヤと同じサイズなら安心です。純正タイヤサイズは、オーナーズマニュアル(取扱説明書)や運転席ドア付近に貼ってあるシールに記載されています。車検証に載っている車両の型式を入力すれば、インターネットでも調べることが可能です。

タイヤのサイズは以下のように表記されています。
205/60/R16 タイヤの幅/扁平率/リム径(インチ数)

メーカーが出しているタイヤサイズ表を確認

社外ホイールに交換したい方は、ホイールメーカーやタイヤメーカーが出しているタイヤサイズ表を確認しましょう。メーカーは、様々な車種で様々なサイズのタイヤを装着し、はみ出したり干渉したりしないかチェックを行っています。車種ごとに車検に通る条件なども記載されていますので、安心してカスタムできると言えるでしょう。

ホイールの強度が国土交通省の品質基準検査に適合しているか

許容範囲のサイズであれば、どんなホイールでも良い訳ではありません。ホイールの強度が、国土交通省の品質基準検査に適合している必要があります。確認方法は、ホイールに「JWL」の刻印があるかどうかで判断します。刻印がないホイールの場合、品質基準検査に合格しておらず、ホイールの強度が低い可能性があります。気になるホイールを見つけたら、JWLの刻印があるか確認しましょう。

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タイヤやホイールを交換する際はサイズに注意!


ホイールを大径にして見た目を変更するカスタムが多いですが、車検に通らないようなフェンダーからタイヤがはみ出したカスタムは、整備不良で罰則になる可能性もあります。また、ハンドルを切るとフェンダーとタイヤが干渉してしまうなど、車の性能が制限されるようなカスタムは、万が一の時を考えると事故に繋がる可能性もあります。

タイヤやホイールを交換する場合は、その車にあったサイズのものを選ぶようにしましょう。

タイヤ専門店のプロに相談すると安心して選ぶことができるのでおすすめです。
タイヤ流通センターでは、3つの定額プランをご用意。タイヤ専門店ならではの、知識や経験、情報といった点からその方に合った最適なタイヤ選択の相談に乗ってもらえます。タイヤを交換する場合は、一度タイヤ流通センターで相談してみてください。

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まとめ

今回は、タイヤサイズを変更するときの注意点や車検に通らないタイヤ、車検に通る許容範囲などの解説を行いました。タイヤサイズの変更自体は、全く問題ありませんが、極端なサイズ変更は、車検に通らない可能性があります。また、サイズの選択を間違えると車検に通らないだけでなく、ホイールやタイヤが他のパーツと干渉したり、車の機能が制限され万が一の時に事故に繋がることは覚えておきましょう。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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