タイヤ選びとウェット性能
皆さんはタイヤのラベリング制度についてご存知でしょうか?
タイヤのラベリング制度とは、「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」でサマータイヤの性能を分かり易くグレーディングする等級制度となっています。今回は両者のうち「ウェットグリップ性能」のグレーディングによる性能差についてご紹介していきます。
ウェットグリップ性能のグレーディング
タイヤのウェットグリップ性能は濡れた路面に対して、そのタイヤはどれくらいグリップできることを指しています。
大雨の日で運転する際に、ハンドルのコントロールがしづらくなることがありませんか?
高いウェットグリップ性能持ちのタイヤなら、そういった現象(ハイドロプレーニング現象)をより抑えることができるとのことです。
そして、ウェットグリップ性能はa~dの4等級でグレーディングされます。aが最も高い等級となっています。これは、前回のコラム(https://www.tokyo-tire.com/column/hight-width/)でもご紹介した「たて×よこ」のお話が大きく関わってきますので、ぜひそちらもご覧になってみて下さい。ちなみに、全てのサマータイヤがa~dの等級に収まっているという事ではなく、dに区分される数値以下のものは全て等級外となりグレーディングは行われません。つまり、この等級付けはdにグレーディングされているタイヤのウェットグリップ性能が低いという事を意味していません。充分な性能を持っている中での等級分けである、とお考え下さい。
下記は日本自動車タイヤ協会詳細の等級分け基準です。
基準タイヤ(ウェットグリップ性能特化していないタイヤ)ウェットグリップ指数(ISO 23671に基づき)を算出し、100と表しています。
※ハイドロプレーニング現象:タイヤの溝が水を排除しきれなく、車が水の上を滑るようになる現象です。ハンドルやブレーキが効かなくなる危険な現象です。また、運転中のスピードが速ければ、ハイドロプレーニング現象がより発生しやすいです。
グレーディングによる性能差はどれ位あるの?
とは言え、グレーディングですから等級ごとに差はあります。分かり易い例を写真でお見せしたいと思います。グレーディングaとcのタイヤで、時速100kmから停車するまでの制動距離となります。やはりグレーディングaはより短い制動距離で停車しています。約1.5車体分の違いがありますので、非常時には大きな差であると言えるかもしれません。
タイヤ選びのご参考に!
上記の結果から、毎日運転される方や雨の日にも運転する機会が多い方はより高いグレーディングのタイヤを選んだ方が安心してドライブ出来ると言えます。逆に、タイヤ交換のコストも重視したい、雨の日は運転しないといった方は少しグレーディングを下げるのも手と言えます。この様な点もぜひご参考に、自分にあったタイヤ選びをお楽しみ下さい!東京タイヤ流通センタ―はシンプルな3プランを掲げていますが、店舗によってご希望のタイヤがあるかもしれないし、取り寄せが可能なので、気軽に店舗へお問い合わせいただければと思います!
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現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。