タイヤ交換の勘定科目は何になる?どれをどんな場合に使うのか解説

タイヤは消耗品なので、時期が来たら交換が必要になります。タイヤ交換を行う車が、「会社の社用車であれば交換費用は何の勘定科目になるの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。個人事業主の方で自分で経理をしている方は、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、タイヤ交換の勘定科目は何になるのか、費用に応じた仕分けの仕方などについて解説します。タイヤ交換の費用によっては経費処理できない場合もあるので、適切な勘定科目で処理を行うようにしましょう。

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タイヤ交換を会計上どう考えるか


タイヤは消耗品であり、時期に応じてサマータイヤからスタッドレスタイヤ、スタッドレスタイヤからサマータイヤに履き替えを行う場合が多いでしょう。そして、その都度タイヤの交換費用がかかってきます。

社用車のタイヤを交換した場合は、事業に必要な費用として経費に計上することができます。
また、タイヤのように資産の一部を構成するものを交換した場合、その支出が「修繕費」か「資本的支出」のどちらに値するか考える必要があります。

修繕費

修繕費とは、その資産(この場合は車)の維持管理を目的とする費用のことです。通常の買い替えは修繕費に当たります。摩耗したタイヤは、新しいものに交換しなければその機能や性能を保つことができません。劣化によって同じようなグレードのタイヤに買い替えるような通常の交換の場合は、支出金額に関係なく修繕費となります。

資本的支出

資本的支出とは、その資産の価値を高めるもののことをいいます。資産価値を高める支出とは、維持管理のみでなく、機能をアップさせたり、強度を上げて使用可能期間を延長させたりするような支出のことです。タイヤの場合は、性能の良いタイヤに交換した場合は資本的支出に該当します。ただし、資本的支出に該当しても、金額が20万円未満であれば修繕費として処理できます。

スタッドレスタイヤへの交換は、資本的支出か修繕費かで迷うことが多いでしょう。ノーマルタイヤでは、走行が困難な雪道を走行できるという意味では性能が向上していると考えられるので、「資本的支出」に該当するといえます。ただし、通常のスタッドレスタイヤの交換であれば20万円以上の金額になるケースは少ないため、修繕費として計上できることがほとんどです。

タイヤ交換の仕訳に使う勘定科目とは


社用車のタイヤ交換をした場合の仕訳に使う勘定科目は、ケースによって以下の3つに分けられます。

修繕費

修繕費は、資産の維持管理を目的に支払いした費用についての勘定科目です。

車両費

車両に関する費用をまとめたい場合に使用する勘定科目です。

資産維持費

資産維持費は、固定資産を維持管理する費用についての勘定科目です。

個人事業主は家計との按分計算が必要

個人事業主が事業に関して車を利用している場合、経費に計上できます。ただし、個人事業主は、業務用と私用を兼用していることが考えられるため、家計(家事関連費)との按分計算が必要になります。

家事関連費とは、業務用と私用の両方で使っているもので支払いが切り離せない費用のことです。業務で使用している分のみを経費計上するので、家事按分という計算を行います。

例えば、1ヶ月のうち半月を業務で使用するとすると、車に関して支出した費用の50%を按分計算して経費計上することとなります。つまり、1万円車に関して支払いがあった場合は、半分の5,000円が経費ということになります。

ただし注意点があり、車に使用した費用が経費と認められないケースがあります。それは、事業で必要だったことを明らかにする記録などが無く、他に証拠がない場合です。経費として認められるには、走行距離や行先の記録、ガソリン代などのレシートの記録などの管理をしっかり行い、第三者が見ても事業で使用したと分かるようにする事が重要です。

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修繕費で仕訳する場合とは


修繕費で仕訳をする場合は、どのような時なのでしょうか。ここでは、修繕費で仕訳をする場合の考えや例を見ていきましょう。

摩耗で同じ性能のものに交換するとき

タイヤが摩耗し同じ性能のタイヤに交換する場合は、通常の維持管理や原状回復として車両の修繕と考えられるので、勘定科目は修繕費に当たります。

修繕費とは、会社の経営に必要な固定資産を修繕するために支払う費用のことですが、その費用にはタイヤのような部品交換も含まれます。社用車は会社に必要な資産と考えられるので、タイヤ交換もその資産の修繕に関わるもののため修繕費で仕訳ることができます。

以前購入した車両を修理するものととらえる

修繕費は、以前購入した車両を修理する際に支払う費用です。タイヤ交換は、以前に購入した車両のタイヤを交換すると考えられるため修繕費となります。

タイヤは消耗品なので、消耗品費と迷う方も多いでしょう。しかし、消耗品費は新しく購入したものを処理する科目なので間違えないようにしましょう。

仕訳の例

では、社用車のタイヤを4本交換して、40,000円支払いを行った場合の仕訳の例を見てみましょう。

借方 貸方
修繕費 40,000円 現金支払 40,000円

他にも、資本的支出に値する高性能タイヤに交換した場合、支払額が20万円未満であれば修繕費として仕訳することができます。例えば、高性能タイヤを4本交換して17万円支払いした場合は、以下のようになります。

借方 貸方
修繕費 170,000円 現金支払 170,000円

例をみても分かるように、修繕費はまとめて仕訳することができます。

車両費で仕訳する場合とは


車両費で仕訳をする場合とは、どのような時なのでしょうか。ここでは、車両費で仕訳をする時の例などを見ていきましょう。

さまざまな車関係の費用をまとめたいとき

ガソリン代やオイル交換代、一時的な駐車料金などさまざま車関係の費用をまとめたいときは、タイヤ交換も車両費で計上しましょう。勘定科目が多いと仕訳するときが大変という方には最適な仕訳です。

車両の維持管理に必要な費用ととらえる

車両費は、自動車などの車両の維持管理に必要な費用のことで、自動車保険や自動車税、修繕費など自動車に関わる幅広いものを含みます。自動車の維持管理にかかった費用は、全て車両費にまとめておくと後から見直しがしやすく、第三者から見ても分かりやすいでしょう。

仕訳の例

社用車のタイヤを4本交換して現金50,000円を支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
車両費 50,000円 現金 50,000円

次に、クレジットカードでタイヤ交換代70,000円を支払った場合の仕訳を見てみましょう。

借方 貸方
車両費 70,000円 未払金 70,000円

後日、クレジットカードの利用料金が引き落とされた日の仕訳を見てみましょう。

借方 貸方
未払金 70,000円円 普通預金 70,000円

上記の仕訳から分かるように、現金の場合は貸方には「現金」と記載しますが、クレジットカードの場合は引き落としまで日数がかかり即日支払いではないので、貸方には「未払金」と記載し引き落としされてから借方に「未払金」、借方は「普通預金」と記載しましょう。

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資産維持費で仕訳する場合とは


資産維持費は、固定資産の維持や原状回復を目的とする修繕費と内容が重なる勘定科目なので、間違える方も多いでしょう。では、どのように使い分けると良いのか見てみましょう。

修繕費の代わりに資産維持費の勘定科目を使っているとき

資産維持費で仕訳をする時は、修繕費の代わりに資産維持費の勘定科目を使っている場合に使用します。その時の社用車のタイヤ交換は、資産維持費で計上します。資産維持費と修繕費は内容が重なる部分があるため、仕訳をしている勘定科目の内容によって使い分けることとなります。どちらを使用しても問題ありません。

次の項目で、実際にタイヤ交換をした場合の仕訳の例を見てみましょう。

仕訳の例

社用車のタイヤ交換をして、現金30,000円を支払った場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
資産維持費 30,000円 現金 30,000円

同様に、タイヤ交換をして電子マネーで30,000円を支払った場合は以下の通りです。

借方 貸方
資産維持費 30,000円 仮払金 30,000円

電子マネーでの支払いは、仮払金となる点に注意が必要です。

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タイヤ交換は適切な勘定科目で処理しよう


社用車のタイヤ交換をした場合は、経費として計上が可能です。その際の勘定科目は、「修繕費」「車両費」「資産維持費」のどれかが用いられます。装着していたタイヤより高性能のタイヤに交換すると車両の価値が高まり、交換の金額が20万円を超えている場合は、資本的支出として計上し減価償却が必要となります。

減価償却とは、資産の取得にかかった費用の金額をその年の費用とせず耐用年数に応じて配分し、その期に相当する金額を費用に計上する時に使う勘定科目です。つまり、一度で経費として支払うのでなく、分割して少しずつ計上していくルールのことです。高額なものを購入した時などに使用する勘定科目です。

個人事業主もタイヤ交換を経費にできますが、私用で使っている分とその比率に応じた按分計算をしなければなりません。経費計上する場合は、走行距離や行先の履歴、領収書などをしっかり記録しまとめ、業務の利用を明らかにしておく必要があります。

社用車のタイヤ交換を経費計上する場合は、適切な勘定科目を選んで正しく記帳しましょう。

まとめ

今回は、社用車のタイヤ交換を会計上どう考えるか、タイヤ交換の時に使用する勘定科目、どの科目で仕訳をすれば良いかなどについて解説しました。社用車のタイヤ交換は経費計上できるので、まず修繕費か資本的支出かを考える必要がありますが、タイヤのみの交換であれば20万円を超えることは少ないので、修繕費を使用することが多いでしょう。

また、タイヤの仕訳で使用する勘定科目については、その企業によって使用している勘定科目が異なるので、それぞれでしっかり仕訳を行いましょう。支払い方法によって、仕訳の記載が異なる点にも注意が必要です。また、個人事業主は、業務と私用の区別が分かりにくいので、業務で使用した時の走行距離や行先などの記録をしっかり残しておきましょう。

車を使用していると必ずタイヤ交換時期がやってくるので、その時には適切な勘定科目で処理しましょう。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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