夏場はタイヤが溶ける?タイヤトラブルが多い夏に注意したいこと
夏場は、猛暑日の過ごし方や、熱中症対策が話題にあがりますが、そんな環境は、タイヤにとっても同様で、予防しないと様々なタイヤトラブルを起こす原因をつくります。アスファルトの路面は、「タイヤが溶けるのでは?」と心配するくらい熱くなりますが、確かにタイヤのゴムは熱の影響を受けやすいため、様々な注意が必要です。今回は、事前に知ることで安心できる、夏場のタイヤトラブルを防ぐポイントをご紹介します。
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目次
夏場のタイヤにはトラブルが起きやすい
夏場のアスファルトの路面は、熱を吸収しやすくなるため、表面温度はなんと60度を超える温度になります。もちろん、そんな路面に触れているタイヤにも悪影響があり、タイヤが傷みやすく、紫外線や熱による影響を受けてしまいます。どのようなトラブルが起きやすいか見ていきましょう。
摩擦熱によりタイヤが劣化する
夏場の走行時は、タイヤと路面の摩擦による「摩擦熱」で、タイヤの温度がさらに上昇します。熱の影響でタイヤのゴムは固くなり、劣化するため、タイヤの表面は、ひび割れを起こしやすくなります。タイヤのひび割れは、バーストなどにつながりとても危険です。
直射日光でタイヤが劣化する
夏場の日差しは強い紫外線が特徴です。直射日光を浴び続けたタイヤは、ゴム製品なので、紫外線の影響で、しだいにゴムが硬化していきます。硬化したタイヤ表面には、ひび割れが現れ、劣化が進み、走行中は、路面への食いつきが低下することで、ブレーキが効きにくくなることがあります。
熱ダレが起こりやすくなる
タイヤは通常、ある程度、熱を持った方がグリップ力が高まり、タイヤの能力を最大限に発揮するように設計されています。しかしタイヤの温度が上がり過ぎて、想定以上の温度域に達すると、グリップ力が急激に低下します。この状態を熱ダレといい、熱ダレを起こしたタイヤは、
主に以下にあげる、2通りのトラブルを引き起こします。
タイヤの空気圧が低い高速走行の場合
空気圧が低い状態で熱ダレを起こし、高速走行を続けると、タイヤがたわみ続け、スタンディングウェーブ現象を起こします。タイヤが波打つように、たわんだ部分が、路面に繰り返し触れることで、熱が生じ、その影響からタイヤ内部が熱膨張を起こし、最悪の場合、バーストを起こします。
急発進・急加速・急停車・急ハンドルを行った場合
熱ダレを起こしたタイヤで急発進、急加速、急停車、急ハンドルを行うと、タイヤが本来のグリップ力を失うため、クルマの操作性に悪影響を与え、コントロール不能になる場合があります。そのため、操作に違和感を感じた場合は、すみやかに速度を落とし、車間距離も充分にあけて、余裕ある操作ができるよう、意識しましょう。
急発進などを繰り返すと溶けることも
どんなに暑い夏場でも、通常の走行で、タイヤがドロドロに溶けるようなことはありませんが、急発進、急ブレーキを繰り返すことで、タイヤ表面が溶けることがあります。消しゴムで例えると、書いた文字をこすって消す際、「消しかす」が出るように、タイヤの表面に、削れた「タイヤかす」が、熱の影響で柔らかくなり、こびりついてしまいます。
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夏場のタイトラブルを防ぐにはどうすればいい?
夏場の気候や、路面の熱さは防ぎようがありませんが、以下のような工夫を行うことで、タイヤトラブルを未然に防ぐことができます。
異常を感じたら安全な場所に停車
ハンドルやブレーキ操作において、何か違和感を感じたら、安全が確保できる木陰などの涼しいところに停車し、タイヤを冷やしましょう。ひどくなければタイヤを冷やすことで、グリップ力は回復します。また、急ぐ場合の応急処置として、ペットボトルなどを利用し、水をかけて冷却することも有効な手段です。補足ですが、もし水をかける場合、注意点があります。停車したクルマの足回りは、かなりの熱を持っています。特に停車直後のタイヤや、ブレーキディスクは、熱気が漂う高音な状態のため、水をかける際、やけどに注意してください。
空気圧をチェックする
タイヤの空気圧は、低すぎても高すぎてもトラブルの原因をつくります。低い空気圧は、スタンディングウェーブ現象を起こしやすく、高い空気圧は、衝撃吸収が高くなり、縁石や段差を乗り越えた際、タイヤの接地面や、サイド部分にキズや亀裂を入れてしまう場合があります。そのため、タイヤの空気圧が適正値であるか確認してみましょう。適正値は、主に運転席ドアを開けた部分に記載されていますが、クルマにより異なる場合があります。もし、タイヤの適正値が不明な場合は、給油時や点検時に、専門スタッフに見てもらい、空気圧を調整してもらいましょう。
水性タイヤワックスを使用する
ガレージやカーポートがなく、やむを得ず炎天下の中、クルマを駐車されている方に、タイヤの劣化防止として、「水性タイヤワックス」の塗布をおススメします。石油系溶剤の「油性タイヤワックス」を使用すると、タイヤに配合されている劣化防止剤を、タイヤワックスの油性物質が溶かし出してしまいます。
タイヤをキレイにするはずが、使い続けることで、ひび割れなどの劣化状態を早めてしまう可能性が高くなってしまいます。逆に、水性タイヤワックスはシリコンを水に乳化分散させているため、紫外線を吸収し、ひび割れの防止や、タイヤを長持ちさせる効果があります。カーディーラーではお客様向けに水性タイヤワックスを使用しているお店が多く見られます。タイヤワックスを購入の際は、成分表を見て、「水性」であることを確認し、購入しましょう。
日頃からタイヤの点検を
走行の前後に目視でタイヤの状態をチェックすることが、とても大切になります。例えば、タイヤの表面に亀裂や、クギ・ネジなどが刺さったままだったり、空気圧不足が原因で、タイヤが潰れていないかなど、事前に発見、把握するだけで、早めの対応に繋がります。
また、車内でエアコンをかけていたとしても、走行中、たまに窓を開けて、「タイヤの回転に合わせて異音がしていないか?」「ゴムが焼ける不快な臭いはしていないか?」などを確認する習慣を身につけましょう。また、タイヤの空気圧は給油や点検の際に、専門スタッフに確認してもらうこともおススメです。
タイヤトラブルが多い夏場はこまめに点検を
夏場は、路面が高温になるため、タイヤトラブルが増えます。冬タイヤと夏タイヤを履き替えている人は、タイヤ交換時のチェックはもちろん、こまめにヒビやキズなどの確認をし、同時に空気圧のチェックを行いましょう。
一年を通じて同じタイヤを履いている人は、夏場は意識的に点検する回数を増やすことがポイントです。専門家から、タイヤ交換をアドバイスされた場合、早めの交換を検討しましょう。
まとめ
炎天下が続く夏場は、人間同様、車やタイヤにも疲労がたまりやすい季節です。特にタイヤは、クルマの「走る・曲がる・止まる」という基本動作に加え、安全にも関わる重要なパーツです。そのためタイヤが良いコンディションを保つことは、私たちドライバーにとって、非常に大切なことです。しかし、今回ご紹介したポイントを意識することで、タイヤの疲労を軽減し、快適で安全に夏のドライブを楽しむことができます。もしものトラブルに備え、今回の情報を実践しましょう。
タイヤ専門店の「タイヤ流通センター」は、北海道から沖縄まで全国150店舗以上を展開しています。空気圧の点検はもちろん、窒素ガスの補充にも対応しています。このほか、タイヤ交換やバッテリー交換、オイル交換も行っているので、どうぞこの機会にお問い合わせください。
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現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。