タイヤの限界ってどれくらい?危険なサインや長持ちさせるコツを解説
タイヤは本体価格だけでも、それなりの費用がかかります。さらに交換工賃や廃タイヤの処分料なども加算されるため、まとまった金額を用意しなければなりません。
タイヤ価格の上昇もあり、「タイヤはできるだけ長持ちさせたい」「限界まで使いたい」と思う人は少なくないでしょう。
ではタイヤの限界とは、どのような状態なのでしょうか?限界まで使うと、何か危険はあるのでしょうか?
この記事では、タイヤを限界まで使いたい人に向けて、タイヤの寿命や限界まで使い切るコツを解説します。カーライフのコスパを上げるヒントにしてください。
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目次
「タイヤの限界」ってどれくらい?
どれくらい使うと、タイヤは限界を迎えるのでしょうか?「年数」「走行キロ数」という2つのポイントから解説します。
年数なら「5年」ほど
タイヤメーカーによると、タイヤの寿命は以下のとおりです。
- 製造から5年程度経ったら整備工場で点検を受ける
- 製造から10年経ったら新品に交換する
タイヤの製造年は、タイヤの側面を見るとわかります。
タイヤの側面を見ると、アルファベット+数字・合計6桁の刻印が見つかります。
このうち、数字のはじめの2桁が「製造された週」をあらわします。18なら、その年の18週目につくられたということです。
また後半の2桁は「製造年」です。20なら2020年に製造されています。
注意すべきは「乗り始めてから5年」ではなく、「製造から5年」である点です。
タイヤの中には、メーカーの倉庫で1~2年の保管を経て出荷されるものもあります。メーカーの倉庫はタイヤの保管に適した環境になっているため、数年保管されていても劣化の心配はありません。
ただし使い始めると、タイヤは劣化し続けます。
タイヤの製造年を把握し、5年を目安に点検を受けるようにしましょう。
走行距離なら「3~4万km」
一般的に、タイヤが限界になる走行距離は3~4万キロといわれます。理由を見てみましょう。
道路運送車両の保安基準により、タイヤの溝は1.6mm以上必要です。一般的なタイヤの溝はおよそ8mmほどで、走行5,000kmにつき1mm摩耗するといわれます。
5,000kmで1mm摩耗するということは、1万kmで2mm・3万kmで6mm擦り減る計算です。つまり「32,000km走ると、タイヤの溝は1.6mmになる」と考えられます。
あくまで試算であり、実際は運転の仕方や癖によってタイヤの摩耗速度は異なります。ただし「3~4万km走ったら点検を受けた方が良い」点は押さえておきましょう。
タイヤが限界になると「スリップサイン」があらわれる
タイヤの限界は、一般ユーザーが見てもわかるようになっています。「スリップサイン」と呼ばれるサインが露出するためです。
タイヤを限界まで使いたい人なら知っておくべき、スリップサインについて解説します。
スリップサインとは
スリップサインとは、タイヤの溝の深さが1.6mmになるとあらわれるマークです。溝の深さが浅くなると、あらかじめつくられた突起が周囲の凹凸とつながります。タイヤをぐるりと一周する溝が途中でスリップサインによって途切れると、限界のサインになります。
引用:「タイヤの寿命はどれぐらい?知っておきたい交換時期と見分け方」|ブリヂストン
スタッドレスタイヤは「プラットフォーム」にも注目
冬に使うスタッドレスタイヤは、夏タイヤ以上に溝の残り具合が重要になります。凍結や積雪のある路面を走る機会が多く、溝が浅いとスリップの危険性が高まるためです。
そのためスタッドレスタイヤには、スリップサインのほかに「プラットフォーム」と呼ばれるサインも備わっています。
プラットフォームはタイヤの摩耗度が50%になったことを知らせるサインで、ブロックの間にギザギザの突起部分が相当します。ブロックの高さがプラットフォームに近づいてきたら、限界が近づいていると考えてください。
引用:「タイヤの寿命はどれぐらい?知っておきたい交換時期と見分け方」|ブリヂストン
スリップサインが出たタイヤで走ってはダメ
スリップサインが出ても、走ろうと思えば走れます。ただしスリップサインが出たタイヤでの走行は、道路運送車両法で禁止されています。違反すると罰則の対象となるため、早めに交換しましょう。
は、以下のとおりです。
◎ スリップサインが出たタイヤで走行した際の罰則
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スリップサイン以外にもある「タイヤの限界サイン」
タイヤの限界は、スリップサイン以外にもさまざまな形で現れます。次の3つは、安全走行にも影響する重要なサインです。
- ゴムの硬化
- ゴムのひび割れ
- 摩耗の偏り
タイヤは日光や水分、異物が直接触れる過酷な状況に置かれます。頑丈に見えても、日々劣化していることを忘れないようにしましょう。
タイヤを長期保管する場合は、タイヤに負担をかけない環境を用意すると長持ちします。タイヤの寿命を縮めない保管方法については、こちらも参考にしてください。
タイヤが限界を超えるとどうなる?
「スリップサインが露出している」「ゴムが硬化しひび割れている」など、限界を迎えたタイヤを履き続けるとどうなるのでしょうか。
タイヤを限界まで使いたい場合に、知っておきたいリスクを解説します。
制動距離が長くなる
タイヤの溝が減れば減るほど、制動距離が長くなります。制動距離とはブレーキをかけはじめてから実際に車が停止するまでの距離をあらわし、長いほど追突・衝突の危険が高まります。
引用:「自動車用タイヤの選定、使用、整備基準2020」|一般社団法人日本自動車タイヤ協会
スリップサインが露出するのは溝の残りが1.6mmになった時点ですが、グラフからは残溝4mmから急激に制動距離が伸びていることがわかります。
ハイドロプレーニング現象がおきやすくなる
タイヤの溝は、雨天時に路面の水分を排出する機能を持っています。残溝が少なくなると排水効率が落ち、ハイドロプレーニング現象が起きる危険性が高まります。
【ハイドロプレーニング現象とは】 タイヤと路面との間に水が入り込み、タイヤが浮いた状態になってハンドルやブレーキがコントロールできなくなる現象。 画像引用:「自動車用タイヤの選定、使用、整備基準2020」|一般社団法人日本自動車タイヤ協会 |
パンク・バースト、スリップの危険性がアップする
限界まで使ったタイヤは、走行中にパンクやバースト、スリップなどの事故につながる危険性が高まります。
溝に比べて軽視されやすい「ヒビ」は要注意です。
引用:「タイヤ安全ニュース No.72」|一般社団法人日本自動車タイヤ協会
タイヤのヒビは状態によって5段階に分けられますが、深刻になるほどバーストにつながるおそれが高まります。
安全に、かつ限界まで使うためには、定期的にタイヤ専門店などで点検を受けることが大切です。
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タイヤを限界まで使い切るコツ
日頃の乗り方やメンテナンスに気を付けると、タイヤが長持ちします。タイヤを限界まで使うために押さえておきたい、日頃からできるコツを解説します。
乗る前に状態をチェック
車に乗る前に、簡単な目視チェックをしましょう。点検ポイントは以下の3つです。
- 残溝(溝の残り具合は十分か)
- 偏摩耗(擦り減り具合に偏りはないか)
- 異物(小石や釘がはさまっていないか)
日頃からタイヤの状態を確認しておくと、異変を早期に察知し点検に出すことができます。
月に1回は空気圧チェック
タイヤに適正な空気圧が入っていないと、接地面に過剰な負担がかかります。空気圧は不足していても過剰でも、溝のすり減りやタイヤの劣化を速めます。
空気圧は自然に減るため、定期的なチェックが欠かせません。
引用:「自動車用タイヤの選定、使用、整備基準2020」|一般社団法人日本自動車タイヤ協会
ちょうどよい空気圧を維持するためにも、月に1回程度は空気圧点検をしましょう。
空気圧を正確に計るには、ガソリンスタンドに備え付け、もしくは市販の空気圧チェッカーを利用します。
定期的なローテーションも忘れずに
タイヤは乗り方や荷物量、走行の癖などによって摩耗に偏りが生まれます。偏った摩耗は走行に影響を与え、タイヤの劣化もはやめるため、ひと手間かけてタイヤを長持ちさせましょう。
タイヤの偏摩耗防止には、定期的なローテーションが有効です。タイヤのローテーションとは、均等に摩耗するようタイヤの位置を入れ替える作業をいいます。
引用:「自動車用タイヤの選定、使用、整備基準2020」|一般社団法人日本自動車タイヤ協会
最適な配置は、タイヤの摩耗具合によって変わります。タイヤ専門店でベストなローテーションを相談しましょう。
「急ハンドル・急発進・急ブレーキ」はダメ
「安全走行のためには“急”がつく運転をしてはいけない」と聞いたことがある人も多いでしょう。「“急”がつく運転」とは、急ハンドル・急発進・急ブレーキの3つを指します。
急ハンドル・急発進・急ブレーキは、タイヤにとっても負荷の大きな運転です。タイヤを長持ちさせ、限界まで使いたい人は極力避けてください
保管はタイヤの天敵を避けて
タイヤを限界まで使うためには、オフシーズンの保管方法にも配慮します。タイヤにとって「天敵」ともいえる要素を避けた場所に保管しましょう。
タイヤの天敵は、次の5つです。
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物置に入れるか、専用のタイヤカバーをつけて保管すると安心です。
またホイール付きのタイヤは「平置き」で、タイヤのみの場合は「縦置き」で保管すると、タイヤ自身の重さでタイヤが傷むことを防げます。
限界まで使ったら早めに交換を!タイヤ専門店なら格安タイヤが手に入る
タイヤを限界まで使ったとしても、いつかは交換が必要です。タイヤ交換にかかる費用をできるだけ抑えたい人は、タイヤ専門店に相談してみてください。タイヤ専門店は独自の流通ルートを持っているため、他店より低価格でタイヤを用意できます。
タイヤ流通センターでは、有名ブランドタイヤからコスパの良いアジアンタイヤまで豊富な品ぞろえが自慢です。わかりにくいタイヤ価格も「3つの定額制」にすることで明瞭会計を実現しました。
車種とタイヤサイズを選べばその場で金額がわかる「簡単見積もり」をいますぐおためしください。
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まとめ
車を足元から支えるタイヤは、知らずしらずのうちに劣化しています。タイヤの溝や空気圧、ゴムの状態など、気付いたときにチェックしてみてください。
こまめな点検とメンテナンスがタイヤを長持ちさせます。
また定期的にプロによる整備も受けておきましょう。タイヤの状態をこまかく確認した上で、最適なお手入れ方法を教えてもらえます。交換が必要になる目安の時期もわかるため、交換費用も計画的に準備できます。
タイヤのことはタイヤ専門店にお任せください。全国190店舗以上のタイヤ流通センターなら、タイヤに関するどのような相談も可能です。
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現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。