「タイヤの寿命」に関する嘘&ホントを徹底解明!長持ちさせる秘訣も解説

世間には、タイヤに関してさまざまなうわさが飛び交っています。

「タイヤの寿命は5年。5年経ったタイヤは交換すべき」「スタッドレスタイヤの寿命は、夏タイヤより短い」などの、一般ユーザーにも身近な話題もあります。

さらに、「溝さえあれば車検は通る」「どの部分がパンクしても、修理すれば使える」といった危険を伴う誤解まで、実に多様です。

タイヤの寿命については、すべてのユーザーに適用できる、唯一の解を提示することはできません。乗り方や保管環境、メンテナンスの程度によって、寿命はタイヤごとに異なります。

とはいえ、タイヤの寿命に関しては、嘘を信じるのは危険です。今回はタイヤの寿命に関する嘘を訂正し、“ホントのところ”を解明します。

▼この記事を読んでわかること
・タイヤの寿命はどこで見るか
・タイヤの寿命に関する様々な噂
・タイヤの寿命を延ばすコツ
・タイヤ流通センターならお得にタイヤ交換ができること

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そもそも、タイヤの寿命とは?

どのような嘘が流布しているのかを見る前に、そもそもタイヤの寿命とは何なのか、確認しておきましょう。

タイヤは、次の3つの要素で寿命の到来を判断されます。

  • 溝の残り具合
  • ゴムの硬化度合い
  • タイヤの傷、劣化

寿命となる溝の残り具合

タイヤが備えるべき溝の残り具合は、法令で定められています。

タイヤの種類 残溝の程度 寿命を示すマーク
夏タイヤ 1.6mm スリップサイン
>スタッドレスタイヤ 新品から50%摩耗 プラットホーム

上記の残溝を下回ると、そのタイヤは寿命となります。ちなみに、スリップサインが露出したタイヤは、車検にも通りません。

新品から50%摩耗し、プラットホームが露出したスタッドレスタイヤは、冬用としては使えません。ただし、スリップサインが露出するまで、夏タイヤとして使うことは可能です。

<注意>スタッドレスタイヤの夏場使用は危険!

スタッドレスタイヤは、スリップサインが露出するまで、夏タイヤとしての利用が可能です。ただ、だからといって夏の装着をおすすめできるかというと、「否」。

スタッドレスタイヤは、灼熱の路面を走行する想定ではつくられていません。まして、近年の暑さは異常といえるほど。スタッドレスタイヤの柔らかな素材では、摩擦力が高まりすぎ、走行に支障をきたす場合もあります。

「使い倒したい」という気持ちも分かりますが、夏には夏用のタイヤ使用を強くおすすめします。

ゴムの硬化度合い

タイヤはゴムでできています。ゴムは経年とともに硬くなり、ある程度を超えると寿命と判断されます。

とくに、スタッドレスタイヤは、ゴムの柔軟性が重要です。硬くなったゴムはしなやかさを失っており、雪や氷をしなやかにグリップできません。

ゴムの硬さは、硬度計という計器で測定します。新品のスタッドレスタイヤの硬度は、およそ45程度。この数値が大きくなるほど硬化が進んでいる状態を示し、55を超えると注意が必要になります。

寿命を迎える硬度は、60程度です。

タイヤの傷、劣化

傷や劣化が進んだタイヤも、寿命と判断される場合があります。

表面の細かな傷は、ゴムの経年劣化によるものが大半です。大きな心配はいりません。しかし、深い傷が入っていたり、全面的にひび割れが進んでいると、タイヤがパンクやバーストを起こしやすくなり、危険です。

また、外からはわからなくても、タイヤ内部がダメージを受けているケースもあります。内部のダメージは、外から見ても分かりません。タイヤを強くぶつけた、側溝に落としたといったアクシデントの後は、一度点検してもらうと良いでしょう。

タイヤの寿命に関する嘘?ホント?を解説

ここからは、世間に飛び交うタイヤの寿命に関するうわさを取り上げ、嘘かホントか解明していきます。

うわさ①「タイヤの寿命は5年。5年経ったタイヤは交換すべき」

ケースバイケースです

前述の通り、タイヤの寿命は残溝とゴムの硬化度、傷・劣化によって決まります。

溝の残り具合は、走り方によって変わります。これは、イメージしやすいのではないでしょうか。同じタイヤを同時期に履き始めても、頻繁にドリフト走行する人と、子どもの送迎で車を使う程度の人では、前者の溝のほうが、早く減ります。

また、硬化度や劣化の程度は、車・タイヤが置かれる環境によっても変わります。タイヤのゴムは紫外線やオゾンで劣化するため、青空駐車・屋外保管のタイヤのほうが、劣化が進みやすいのです。

つまり、車の使用場面や乗り方、タイヤの保管環境によって、いつ寿命を迎えるかは人それぞれ。一概に「5年経ったら寿命です」とは言えないのが実情です。

ちなみに、ごく一般的な使われ方をするタイヤは、32,000kmほど走ると残り溝が1.6mmになり、寿命を迎えるといわれます。1年に1万キロ走る人なら、3年と少々で寿命となる計算です。

タイヤメーカーが公表しているタイヤの寿命は、製造から10年です。

「タイヤの寿命は5年」といううわさの根拠は、おそらくタイヤメーカーの発信「製造から5年経過したタイヤは、点検を受けた方が良い」にあるのかもしれません。

参照:タイヤの寿命はどれぐらい?知っておきたい交換時期と見分け方| 株式会社ブリヂストン

うわさ②「スタッドレスタイヤの寿命は、夏タイヤより短い」

ほぼホントです

スタッドレスタイヤは、夏タイヤよりもやわらかいコンパウンド(素材)を使っています。柔軟なゴムのほうが、ツルツルと滑る氷雪をしっかりとグリップできるためです。

さて、ゴムはやわらかいほうが、摩耗スピードは速くなります。学生のころ使っていた消しゴムを思い出してください。消しやすいもの、消しにくいものがあるなあと感じると共に、減りが速い消しゴムがあったのではないでしょうか?きっとそれは、やわらかい素材でできた消しゴムだったはずです。

タイヤも、原理は同じです。やわらかいスタッドレスタイヤのほうが、路面からの転がり抵抗を受けやすく、摩耗が進みます。

実は、ドライ路面を走っている時間も長い、スタッドレスタイヤ。夏と同じような走り方をしていても、スタッドレスタイヤのほうが早いタイミングで交換をすすめられるのは、これが要因です。

うわさ③「少しでも溝があれば、車検は通せる」

1.6mm以上残っていなければ、車検は通りません

先に解説した通り、タイヤの溝はプラットホームが露出する1.6mm以上残っていなければ、車検には通りません。

ちなみに、残溝1.6mmで車検には通りますが、安全に走れるかどうかは別問題です。タイヤが性能を発揮し、路面をしっかりとグリップするためには、少なくとも3mm程度の溝は必要だといわれています。

溝が少ないタイヤは、路面の水をタイヤの外に排出する性能が低下します。その結果、雨天時にハイドロプレーニング現象が起きやすくなり、危険です。また、JAFが実施したテストによると、新品から50%程度摩耗したタイヤ(5分山)から、ウェット路面の制動距離が延びることが分かっています。

参照:摩耗タイヤの検証(JAFユーザーテスト)|JAF

タイヤの残溝は、1.6mmになるまで使える、と考えるのは危険です。あなた自身と車を守るためにも、残溝3mmほどになったら、交換を検討しましょう。

うわさ④「どの部分がパンクしても、修理すれば使える」

サイドウォールが原因でパンクしたタイヤは使えません

パンク部分を修理して使えるのは、トレッド面がパンクしたタイヤです。トレッド面はゴム層が厚いため、修理すれば再利用して構いません。

ただ、サイドウォールの割れなどによるパンクは、修理不可能です。サイドウォールのゴムはトレッド面ほど厚くなく、補修しても強度を保てないのが理由です。

ちなみに、ひび割れが入ったタイヤは要注意。軽度のひび割れはよく見られる現象で、実は車検にも通ります。

しかし、ひび割れは、タイヤのゴムに何かしらのダメージがあるサインと考えたほうが良いでしょう。とくに、全面に広がるひび割れや、深いひび割れは、速やかに点検を受けるべきです。タイヤの柔軟性が失われており、何かの拍子にパンク・バーストする可能性が高まっています。

うわさ⑤「EV車のタイヤは、ガソリン車のタイヤより寿命が短い」

可能性はあるが、断言はできません

EV車のタイヤの方が、ガソリン車のタイヤより早く摩耗する、といううわさもあるようです。発端は、2024年1月にアメリカの新聞「マイアミヘラルド」紙が掲載した言説だとか。

たしかに、バッテリーを搭載したEV車は車重が大きく、タイヤの摩耗を進める要素を持っています。重い物質の方が摩擦力が大きくなり、タイヤが擦り減りやすくなるのです。

また、トルク(車軸)の特性上、EV車のほうが加速度が高く、これも摩耗を進める要因となります。

ただ、一般のユーザーが気になるほど、顕著な差は出ないのではないか、というのが大方のタイヤメーカーの見方。タイヤの摩耗は車両特性だけでなく、乗り方にも影響を受けます。「EV車か、ガソリン車か」という二元論ではなく、乗り方や保管環境まで含めた総合的な見地から判断することが大切です。

タイヤの寿命を伸ばすコツ

ここまで読んでいただくと、タイヤの寿命が短くなる要因、反対に寿命を延ばすヒントも見えてくるのではないでしょうか。

タイヤの寿命を延ばすコツを、3つ紹介します。

「急」がつく運転を控える

雪道でしてはいけない走り方として紹介される、「急」がつく運転は控えるべきというポイントは、実はタイヤの寿命を延ばしたいときにも有効です。

<「急」のつく運転>

・急発進

・急ブレーキ

・急ハンドル

・急加速

「急」のつく運転は、いずれもタイヤと路面のあいだに、強い摩擦力を発生させます。摩擦力は、タイヤを摩耗させる原因。「急」がつく運転を続けると、タイヤの摩耗が必要以上に進みます。

使わないタイヤは暗所に保管する

シーズンオフのタイヤなど、使っていないタイヤは直射日光を避けられる場所に保管すると、タイヤの劣化スピードを抑えられます。タイヤの主要素材であるゴムは、紫外線や大気中のオゾンの影響を受け、劣化するためです。

暗所で保管された製造後10年のタイヤのほうが、屋外に置いてあった製造後3年のタイヤより状態が良かった、というのはよくある話です。タイヤはできる限り、直射日光を避けて保管しましょう。

物置があれば、ぜひ物置に。ない場合は、紫外線遮蔽機能をもったタイヤカバーをかけての保管をおすすめします。

定期的にメンテナンスする

タイヤの摩耗は、摩擦によって進行します。そして、摩擦の程度に大きく影響するのが、タイヤの空気圧です。

空気圧が足りないと、タイヤはどうなるでしょうか。全体的に圧迫され、接地面積が広がり、必要以上に擦り減ってしまいます。適正な空気圧を保てば、タイヤの摩耗は最小で済みます。

タイヤの空気圧を測る機器は、ガソリンスタンドにあります。給油のついでに、空気圧をチェックする習慣をつけると良いでしょう。

あわせて、タイヤ全体を目視し、傷や異物のはさまりがないか、ひび割れていないか、溝は十分にあるかを点検します。気になる箇所があったら、速やかにタイヤ専門店や整備工場に相談しましょう。

<豆知識>5円玉・100円玉で残溝を測る方法

夏タイヤは5円玉、スタッドレスタイヤは100円玉で、残溝が適正か簡単に計測できます。

タイヤに、それぞれの硬貨を垂直に差し込みます。硬貨のどの部分までが見えているかによって、残溝が分かるのです。

◎ 夏タイヤ:「五」の文字側を差し込む

・「五」の三画目(横線)が見えた → 残溝約4mm

・「五」の文字がすべて見えた → 残溝1.6mm、速やかに交換を!

◎ スタッドレスタイヤ:100円玉の「1」側を差し込む

・数字の「1」が見えた → 50%摩耗済、速やかに交換を!

まとめ

タイヤも物価高の影響を受け、値上がりが続いています。数年前とくらべて、店頭小売価格の上昇具合に驚く人も多いのではないでしょうか。

「少しでも交換を先延ばししたい」「まだまだ使えると思いたい」という気持ちは、よくわかります。しかし、タイヤは、車の走行を支える大切なパーツ。寿命を迎えているにもかかわらず交換を怠ると、大事故につながりかねません。

タイヤの寿命は、「残溝」「ゴムの硬化」「傷、劣化」によって決まります。日ごろから点検やメンテナンスを実施し、長持ちする走り方を心がけましょう。

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