タイヤの手入れは必要?揃えるべき道具や劣化発見のチェックポイントとは

車の手入れといえば洗車が代表的ですが、タイヤの手入れもとても大切です。タイヤは路面にもっとも近く、実はボディよりも汚れています。

手入れを怠ると汚れてしまうだけでなく、劣化が早くなってタイヤの寿命が縮まったり、破損しやすくなったりしてしまいます。

タイヤの劣化は重大な事故に繋がることもあるため、定期的に手入れする必要があります。ここでしっかりと手入れの方法を押さえておきましょう。

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タイヤの手入れは必要?


タイヤは路面に接地しているため、ボディよりもさまざまな汚れがつきやすいです。道路には砂や石や土だけでなく、オイルやゴムの汚れなどがあります。

ブレーキが近いためブレーキから発生するブレーキダストもタイヤに付着してしまいます。タイヤは合成ゴムでできた化学製品であるため、汚れに化学反応が起きてしまうことがあります。

摩擦で削れてしまうだけでなく、熱や紫外線もタイヤのひび割れなどに繋がります。

とくに水分には注意が必要で、土の汚れはタイヤに密着すると水分を吸収しやすくなるため、「加水分解」といわれる反応が起きてしまうことがあります。

加水分解とは、化学物質と水が反応して分解が生じることをいいます。タイヤは合成ゴムであるため、その素材には石油由来のものが多く含まれています。

この合成ゴムが水分を吸収することによって加水分解が起こり、ゴムとゴムが結合している分子の間に水が入り、ひどく劣化してしまいます。

タイヤの劣化は寿命が縮まって交換時期が早まるだけでなく、劣化によってパンクやバーストが起きてしまうと重大な事故に繋がることもあります。

タイヤの汚れの特徴

タイヤの汚れはボディの汚れとは違い頑固で落としにくいものが多いです。タイヤは唯一地面に直接触れているパーツですので、汚れを拾いやすく付着もしやすいです。

とくに砂や泥はアスファルトの上を走っていても付着し、他にもオイルなどの油分や車のブレーキから発生するブレーキダストなどがたくさん付着します。

砂や土は比較的落としやすいですが、オイルなどの油分やブレーキダストは水洗いだけで落とすことはできません。

ボディ用の洗剤では効果が薄く汚れがしっかりと落ちないため、このような頑固な汚れにはタイヤ専用の洗剤を使用しましょう。

タイヤの手入れのタイミングは?


タイヤの手入れをするタイミングの目安は、1ヶ月に1回程度が適切です。

使用頻度や環境などにもよりますが、タイヤを洗いすぎるとかえって劣化が早まってしまうことがありますので注意してください。

基本的にはボディの洗車をするタイミングに合わせてタイヤの手入れをするのがベストです。

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タイヤの手入れに必要な道具


タイヤの手入れをするにはボディ用とは違った道具を用意します。

まずは必要な道具を用意するところから始めましょう。タイヤの手入れに使う道具はどれも特殊なものではないため、カー用品店やホームセンターなどで安価に簡単に用意することができます。

ブラシ・スポンジ

タイヤを手入れするためのブラシやスポンジは、ボディ用とは違うものを用意しましょう。

タイヤやホイールを洗ったブラシやスポンジには砂や小石が付着してしまい、それをボディにも使用してしまうとボディに傷がついてしまいます。

ですので、ブラシやスポンジは必ずボディ用と分けてタイヤ用のものを用意しましょう。

また、タイヤ・ホイール用のブラシやスポンジは持ち手がついているものや細めのものを選ぶと隅々まで掃除がしやすいのでおすすめです。

カーシャンプー

まずはタイヤを水やカーシャンプーで洗浄します。

タイヤは水洗いで砂や土を落とすだけでも問題ないですが、オイルなどの油分やブレーキダストなどは水洗いのみで落とすことはできませんので専用の中性カーシャンプーを使用しましょう。

ただし、アルカリ性のシャンプーは非常に強力で頑固な汚れも落としやすいですが、タイヤが痛む原因となってしまうことがあるので注意してください。

また、洗剤を使用した場合は洗剤が残らないようにしっかりと洗い流すことが大切です。

艶出しスプレーやタイヤワックス

タイヤのゴムの色がしっかりと黒くなって見た目も綺麗になり、汚れもつきにくくなります。

ただしタイヤワックスは物によっては界面活性剤が含まれており、かえってタイヤの劣化を促してしまう場合があります。

タイヤの使用年数などを確認し、愛車のタイヤに合うタイヤワックスを使用しましょう。

タオルやクロス

タイヤを洗ったあとは、吸水性の高いタオルやクロスで水分をしっかりと拭き取りましょう。

タイヤは水分が付着したままになっていると、加水分解を起こしてしまいます。強度が著しく損なわれてしまったり、劣化が早くなってしまったりとデメリットばかりですので、水分は必ず拭き切るようにしましょう。

タオルやクロスは吸水性が高いものを選び、必ずボディ用のものと分けてください。

ブラシやスポンジと同様に、タイヤを拭いたことで砂などが付着したものをボディに使用してしまうと、ボディに傷がついてしまうので避けましょう。

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タイヤとホイールの手入れ方法


必要な道具の次は、タイヤとホイールの手入れの方法を説明します。正しい方法で洗うことで、タイヤを劣化させずにきれいにすることができます。

基本は水洗い

タイヤは基本的には水洗いのみで手入れします。頑固な汚れにはタイヤ用のカーシャンプーを使用しますが、ほとんどの汚れは水で洗うことができます。

タイヤはゴムの中に老化防止剤とワックスが含まれており、これらがタイヤの表面の保護層となっています。

洗剤を使ってゴシゴシ洗ってしまうと汚れは落ちてくれます。

しかしそれと引き換えに、せっかくタイヤを守るために形成された保護層までもが洗い落とされてしまうことがあります。

水洗いでブラシやスポンジを使って洗って、どうしても落ちない汚れがあるときはその汚れの部分にだけタイヤ専用の中性カーシャンプーを使いましょう。

使用後は洗剤が残らないようにしっかりと水で洗い流すことも忘れずに行ってください。

タイヤの洗い方

次に詳しいタイヤの洗い方を紹介します。

まずはホースを使ってタイヤに水をかけ、タイヤの表面の汚れを落としていきます。そしてタイヤ用に用意したブラシに水をたっぷりと含ませて、やさしくこすって汚れを落とします。

少しこすってみても落ちない場合は無理に力を入れず、タイヤ専用の中性のカーシャンプーを汚れている部分にのみ使用します。

その後、水で洗い流してタオルやクロスで拭き上げて終了です。

汚れを落とすときに洗剤を使用した場合は、洗剤をすすぎ残してしまわないように注意しましょう。

洗剤が残っているとタイヤが劣化してしまう原因となるので、タイヤを洗うときはタイヤの溝や裏側まで丁寧に水をかけて洗い流すことが大切です。

また、拭き上げに使用するタオルやクロスは、ブラシやスポンジと同じようにボディ用とは別のものを用意しましょう。

吸水性の良いものを選ぶと簡単にきちんと水分を拭き取ることができるので、拭き残しづらくおすすめです。

拭き上げをし終わったら、最後にタイヤワックスを使用することもあります。

ただしタイヤワックスは見た目は黒光りして美しくなりますが、界面活性剤が含まれているためにタイヤの寿命を縮めてしまう商品もあります。

ですのでタイヤワックスを使用する場合は、成分や効果について十分に調べ、タイヤの使用年数や使用頻度や使用目的に応じたタイヤワックスを選びましょう。

ホイールの洗い方

次はホイールの洗い方を説明します。

ホイールはタイヤと違ってゴムではないので、カーシャンプーでしっかり洗っても問題ありません。

洗うときはなるべくタイヤのゴムの部分にカーシャンプーがかからないように気をつけて洗いましょう。

洗剤はホイールに直接かけて使うと飛び散ってシミになってしまうことがあるので、スポンジにつけてから洗うと飛び散りを防ぐことができます。

アルカリ性のカーシャンプーがタイヤのゴムについてしまうと大変ですので、なるべく中性のカーシャンプーを使用してください。

ホイールもタイヤと同様に洗剤の洗い残しがあるとよくないので、しっかりと水ですすぎます。最後は吸水性の良いタオルやクロスできれいに拭き上げて完了です。

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タイヤの手入れのときにはここをチェック!


タイヤを手入れするときは、普段あまり見ることのないタイヤをじっくりと見ることができる良い機会です。

手入れのついでにタイヤの点検をすることをおすすめします。

摩耗の状態

まずはタイヤの減り具合をチェックしましょう。

タイヤが摩耗しすぎていると制動距離が伸びたり、車検に通らなかったりしてしまいます。

タイヤには溝があり、その溝の中に「スリップサイン」と呼ばれる一段高くなっている部分があります。

このスリップサインは、タイヤの溝が1.6mm未満になると表面に出てくるので、スリップサインが出ていないかしっかり確認しておきましょう。

亀裂がないか

次は、タイヤに亀裂が入っていないかをチェックします。

タイヤの亀裂は縁石にこすったり鋭いものを踏んだりしたことでできてしまう傷です。タイヤの亀裂はパンクやバーストの原因となることもありますので、重大な事故にも繋がりかねません。

表面だけでなく側面も見て、亀裂が入っていないかチェックしましょう。

小石が挟まっていないか

最後は、タイヤの溝に小石などが挟まっていないかをチェックしましょう。

タイヤの溝に小石が挟まっている状態で走行すると、走行中に異音がするだけでなく、弾けて飛んでいってしまうことがあります。

これは後続車に当たってしまう危険性もあるため、溝に挟まっている小石は見つけ次第取り除くようにしましょう。

車や家のカギの先端部分などでかんたんに取り除くことができます。

まとめ

タイヤはしっかりと手入れしていないと、予想以上に早く寿命を迎えてしまったり、パンクやバーストなどを引き起こしやすくなってしまったりすることがあります。

タイヤの手入れは、洗車のついでにできるような簡単な手入れです。

道具もカー用品店やホームセンターなどで簡単に手に入れることができるため、愛車のタイヤをより長持ちさせるためにもぜひタイヤの手入れを行ってみてください。

手入れする際は、水分が付着したままで放置していると起きる加水分解に特に気をつけ、洗った後の拭き上げまで丁寧に手入れするのがポイントです。

タイヤの手入れや状態のチェックを怠ったまま走行していると重大な事故を引き起こすこともありますので、定期的に手入れする機会を設けることが大切です。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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