スタッドレスタイヤから夏タイヤに戻す交換時期・タイミングとは?

雪が多い地域に住んでいる方や、クルマでよくウインターレジャーに出かけるという方は、寒くなってくるとスタッドレスタイヤに交換する人が多いと思います。しかし、スタッドレスタイヤを装着するタイミングは分かるものの、どのタイミングで夏タイヤに交換すればいいか分からない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換時期を分かりやすく説明していきます。合わせて、夏タイヤの寿命や長持ちさせるコツも解説!タイヤ交換で迷っていたら、ぜひ参考にしてくださいね。

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夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いを知ろう


夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いについて説明していきましょう。夏タイヤは、クルマを購入したときに装着されているタイヤで「ノーマルタイヤ」「サマータイヤ」とも呼ばれています。一方、冬タイヤは一般的に「スタッドレスタイヤ」を意味します。

夏タイヤは、夏の熱い路面を走ってもゴムが柔らかくなりすぎないように硬質なゴムを使用しているのが特徴です。そのため、低温下ではゴムが固くなり雪道や凍結路にはグリップせず、スリップしてしまいます。

しかし、春から秋にかけては雨天時にもしっかりと路面にグリップし、摩擦による抵抗が少ないため、高燃費、低騒音となっています。

スタッドレスタイヤは、夏タイヤよりも柔らかいゴムを使用し、溝が深いのが特徴です。そのため、夏にスタッドレスタイヤで走るとタイヤの減りが早いほか、摩擦抵抗が強いので燃費も悪くなってしまいます。

夏タイヤに交換する理由とは?


気温が上がってきたら、安全のためにも夏タイヤに交換しなければなりません。なぜなら、スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて柔らかいゴムでできているため、雨天時に濡れた路面を走るとスリップを起こす恐れがあるためです。

特に、スタッドレスタイヤは、柔らかいゴムを原料にしているため、路面が濡れていると「ハイドロプレーニング現象」を起こしやすくなります。また、雪や凍結した路面でグリップするように設計されているため、冬以外のシーズンは夏タイヤの方が走行性能も安全性も優秀です。
面倒だからといってスタッドレスタイヤのまま乗り続けずに、暖かくなったら、夏タイヤに交換しましょう。

夏タイヤに交換する時期の目安


スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換は、一般的に3月中旬からゴールデンウィークぐらいまでに済ませるのがおすすめです。雪の少ない地域でも、3月中旬ぐらいまでは雪が降ることがあるため、この時期以降にタイヤを交換すれば、雪で困ることも少なくなります。

また、雪が多い地域や、ウインタースポーツに頻繁に出かける人でも、雪がなくなるゴールデンウィークぐらいまでに済ませると良いでしょう。

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地域ごとの夏タイヤへの交換時期を見極める方法とは


それでは、住んでいる地域ごとに、夏タイヤに交換するベストタイミングを調べる方法をお伝えしたいと思います。「降雪の最終日」や「平均気温」を参考に、夏タイヤへの交換時期を見極めるのがおすすめです。

雪や結氷の最終日を目安にする

気象庁では、地域ごとの最後に雪が降った日や、氷が凍った日を毎年記録し統計にまとめています。気象庁の「過去の気象データ検索」ページにアクセスすると、調べたい地域の気象台や観測所がある地点の「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日の平年値」を調べられます。

この「降雪の終日」を参考にすれば、この日以降に雪が降る可能性が少ないため、スタッドレスタイヤから夏タイヤに交換するベストタイミングが分かります。

なお、この気象庁のデータでは「降雪の初日」も分かりますので、スタッドレスタイヤに交換する参考にも利用できます。

平均気温で交換時期を決める

気温が3℃以下になると路面凍結が起きると言われています。そこで、最低気温の平均が5℃~7℃以上は夏タイヤを装着し、平均最低気温が5℃~7℃以下になったら冬タイヤに交換するという方法も、交換時期を決める分かりやすい方法です。

夏タイヤの寿命は?

ここまで、冬タイヤから夏タイヤに変える交換時期をお伝えしてきました。しかし、夏タイヤにも寿命があるため、交換する前に、まだ使えるのかを調べる必要があります。

それでは、夏タイヤの寿命を判断する方法を詳しく説明してきます。

走行距離で判断

タイヤの溝には、溝の深さが1.6mmまで減った時に現れるスリップサインがあり、スリップサインが見えたタイヤは交換しなければなりません。新品の夏タイヤには約8mmの溝がありますが、一般的に、夏タイヤは走行5000kmで1mm摩耗すると言われており、スリップサインが現れるまでに走れる距離は、おおよそ3万km~5万kmとされています。

そこで、距離計と整備記録を合わせてチェックして、交換時期を判断するのがおすすめです。新しいタイヤや冬タイヤに交換したときは、次の交換時期を判断しやすくするために、交換した日にちと交換時の走行距離を記録しておきます。

スリップサインは取り換えの目安

前の項でも触れましたが、スリップサインが見えたタイヤは、寿命が近いサインです。法律でも、溝が1.6mm以下となったタイヤで公道を走るのは禁止されており、交通違反になってしまいます。そのため、スリップサインが露出したタイヤはすぐに交換しなければなりません。

スリップサインは、タイヤの側面に数か所ある△マークが書かれている部分の接地面を見れば確認可能です。ちなみに、溝の深さが2mm程度となりスリップサインに近づいてくると、排水性能が著しく下がり、スリップが起こりやすくなります。安全のためにも、スリップサインが露出する前に交換を心がけましょう。

タイヤのスリップサインって何?放置すると危険!?

製造年月日を確かめる

4~5年使用したタイヤは寿命です。タイヤのゴムは、使用開始とともに年々劣化していきます。そのため、タイヤの溝が十分残っている場合でも、ゴムの劣化によりバーストしてしまう恐れがあるのです。

また、タイヤにも使用期限が設定されていることをご存知でしょうか?タイヤの使用期限は製造後10年となっており、おおよその製造年月日がタイヤの側面に明記されています。タイヤ交換の目安にもなるので、ぜひ確認してみてください。

調べ方はタイヤに刻印された4桁の数字を確認します。西暦の下二けたが後半の2けたで、前半の二けたは週数を示しています。 「4421」を例に挙げると、2021年の44週が製造年月日という意味です。1ヶ月=4週間でカウントすると、44週は44÷4=11となり、製造年月日は11月下旬~12月上旬ということが分かります。

なお、製造後10年が使用期限となっていますが、この使用期限は倉庫で適正に保管されていた場合のものです。つまり、実際にタイヤを装着していたり、劣悪な環境で保管していたりする場合は、劣化が早まるためタイヤの状態をチェックすることが重要です。

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タイヤのひび割れは交換のサイン

タイヤにひび割れや亀裂がある場合も、交換するのがおすすめです。ゴムの劣化によるひび割れはもちろん、デコボコ道を走行したり、道路上の異物を踏んでしまったり、タイヤを縁石にこすってしまうなど、タイヤの受けた衝撃によりゴムの劣化も進みます。加えて、タイヤの空気圧が低すぎる場合も、タイヤがひび割れやすくなります。

ひび割れや大きな傷のあるタイヤは、バーストしてしまう恐れがありますので早めに交換しましょう。また、小さな傷がある場合も、その後、ダメージが広がっていく可能性があるため要注意です。

タイヤが変形している

変形したタイヤも、すぐに交換が必要です。特に、タイヤのサイドウォールが膨らんでしまっているような変形は、バーストの危険性が高いため、早めに交換してください。

タイヤ交換時期の目安はどのくらい?寿命を確かめるポイント

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タイヤを長持ちさせるコツ


タイヤを長持ちさせるには、タイヤのコンディションをこまめにチェックすることに加え、いくつかのコツがあります。

タイヤを定期的にローテーションさせたり、適正な空気圧に保ったり、保管方法に気を付けることなど、タイヤを長持ちさせるコツを具体的に解説していきましょう。

ローテーションさせる

前後のタイヤを入れ替えるローテーションを行うことで、タイヤは長持ちします。ローテーションを行わずにタイヤを使用し続けると、タイヤの減り方に偏りができてしまい、長く使いつづけられません。

そこで、タイヤのローテーションを行うと、タイヤの減り方が均一となり、タイヤの寿命を延ばすことが可能です。タイヤのローテーションは、走行5000kmごとに行うのが推奨されています。

タイヤのローテーションについては、こちらの記事でも詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

タイヤの前後を入れ替える意味とは?タイヤローテーションの時期や料金などを徹底解説

適正空気圧をキープ

適正な空気圧を保つことも、タイヤの寿命を延ばすコツです。タイヤの空気は、自然に抜けていってしまうので、こまめに空気圧をチェックして適正に保ちます。

加えて、適正な空気圧よりも低い状態で走行し続けていると、タイヤの端(ショルダー)部分が減りやすく、摩耗が偏る原因となります。また、パンクの原因や、燃費が悪くなる可能性も…。

ガソリンスタンドなどでも空気圧を見てもらえるので、月1回程度、空気圧のチェックを行うように心がけましょう。適正空気圧は、クルマのドア付近や給油口のフタの裏のシールに書いてあるので、参考にしてください。

タイヤが長持ちする保管方法は?

タイヤの保管方法で、タイヤの寿命は大きく変わります。タイヤはゴムが劣化しにくいように、直射日光が当たらない涼しい場所に保管します。遮光性や防水性のあるタイヤカバーの使用や、タイヤラックでの保管もおすすめです。

さらに、保管するときにタイヤの空気を半分ぐらい抜いておくと、経年劣化とひび割れの進行を防止できます。

タイヤのベストな収納場所は?寿命を縮める保管場所や便利グッズも紹介

暖かくなったら夏タイヤに交換!タイヤの寿命も気を付けよう


暖かくなったら、安全と快適な走行のために夏タイヤに交換しましょう。交換時期は雪が降らなくなるころから、遅くともゴールデンウィークまでがおすすめです。お住いの地域の気候に合わせて、一度、夏タイヤへの交換時期を確認しておくと安心ですね。

また、夏タイヤのコンディションや寿命を把握しておくことも重要です。ローテーションや空気圧のチェックをこまめに行えば、タイヤを長持ちさせることができます。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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