【雪道運転】初心者が知っておくべき運転のコツや注意点を徹底解説!
冬の路面は、積雪や凍結によるトラブルや事故が多くなります。雪道を多く走行しているベテランドライバーでも、路面状況によっては不安になったり、細心の注意を払い運転している方が多いでしょう。また、初心者は、普段の道の走行にも慣れておらず、雪道の運転は不安でいっぱいでしょう。
そこで今回は、「初心者の方が知っておくべき雪道運転のコツや注意点」について解説します。雪道運転のコツや注意点を抑えておくことで、未然に事故やトラブルを防止できる可能性があります。雪道の対策をしっかり行い、事故やトラブル無く安全にドライブしましょう。
目次
雪道や凍道が危ないのはなぜ?
雪道路面の摩擦係数は乾燥路面の3分の1程度で、凍結路面では10分の1程度まで低下すると言われています。そのため、雪道は乾燥路面や濡れている路面よりも、タイヤの摩擦力やグリップ力が低下するためスリップしたり、制動距離が長くなるといったトラブルから事故に繋がる可能性があり危険です。
また、冬は雪解け水が凍結して起こる「アイスバーン」は非常にタイヤが滑りやすく危険なので、特に慎重な運転が必要になります。アイスバーンは、発生する環境や道路状況により「圧雪アイスバーン・ブラックアイスバーン・ミラーアイスバーン」の3種類に分けられます。
圧雪アイスバーン | 雪がタイヤによって踏み固められ、硬く圧縮された状態の路面のことを示します。アイスバーンの中では比較的滑りにくいですが、日差しや雨などにより滑りやすくなるので注意が必要です。 |
ブラックアイスバーン | 路面が薄い氷で覆われた状態を示します。非常に滑りやすい上に、夜間は濡れているだけの路面と間違えやすいので注意が必要です。
降雨後に気温が急激に低下した場合などに発生しやすく、雪が降らない地域でも注意しましょう。 |
ミラーアイスバーン | 往来する車のタイヤによって鏡のように磨き上げられたアイスバーンを示します。非常に滑りやすいですが、太陽光やヘッドライトを反射しやすいため気づきやすいです。交通量の多い場所や交差点手前など、ブレーキを多用する場所に発生しやすいです。 |
このように、雪道や凍道は滑りやすく、事故の発生も多いので危険です。慎重に運転を行い、事故を未然に防ぎましょう。
初心者が雪道運転で注意したいこと
ここでは、初心者が雪道運転する上で抑えておきたい注意点やコツを8つ紹介します。事前に情報を得たり準備することで、気持ちにゆとりができ安全運転ができるようになります。ぜひ、参考にしてみてください。
状況にあったタイヤで走行する
先ず走行する前に、タイヤのチェックを行いましょう。摩耗して溝が無くなっているタイヤは、雪道での使用は危険極まりないです。
雪道では、必ずスタッドレスタイヤを装着しましょう。スタッドレスタイヤは、雪道を走行するために製造されているので、グリップ力を確保でき安全に走行できます。ただし、残り溝が50%以上あるスタッドレスタイヤを装着しましょう。なぜなら、スタッドレスタイヤは新品から50%摩耗すると、性能の確保が難しくなってくるからです。
また、駆動輪のみをスタッドレスタイヤに替える方がいますが、タイヤのバランスが崩れ性能が十分に発揮できないので、全輪スタッドレスタイヤを装着しましょう。雪が多い地域や路面が凍結している道路を走行する場合は、タイヤチェーンがあるとより安心できるので準備しておきましょう。
追い越しや車線変更はなるべくしない
追い越しや車線変更は、あまり行わない方が良いでしょう。追い越しをする時は、車のスピードを上げて追い越しするため、アクセルを踏み込み過ぎるとスリップをする可能性があります。また、車線変更する時も同様に、ハンドルを切ったり車が通っていない雪の上を走行したりするので、スリップしたりハンドル操作が上手くできない可能性があるので注意しましょう。
「急」がつく操作をしない
雪道や凍結した路面では、タイヤのグリップ力がかなり低下します。そのため、以下の3つの「急」のつく行為は、スリップやハンドル操作ができないなどの原因となり、事故につながるため行わないようにしましょう。
・急ブレーキ ・急アクセル ・急ハンドル |
急な操作を行わなくて済むように、スピードを出し過ぎや無理な車線変更などには注意しましょう。また、「気持ちにゆとりを持った運転」を心掛けることも大切です。
車間距離を十分にとる
雪道では、車間距離を十分にとることが重要になります。タイヤと路面のグリップ力が低下しており、路面が滑りやすいので制動距離が長くなります。そのため、車間距離を十分に確保していないと、追突事故などにつながる危険性があるので注意しましょう。
轍(わだち)の上を走る
雪が残っていると、どこに凍結や段差などの危険なポイントがあるのか分かりにくくなります。そのため、他の車が走行した跡の轍の上を走行することで比較的安全に走行できます。轍の上は、雪や氷が融けていることが多く、スリップなどのリスクが低くなります。不要な車線変更などを行わず、轍の上など安全な道を走行するようにしましょう。
危険な箇所では特に注意
雪道には、危険なポイントが多数あります。そのポイントとは。「カーブ、坂道、橋の上、日陰、段差、トンネル…..」などです。これらのポイントでは特にスピードを出さず、車間距離をしっかり確保して走行するなどの注意が必要です。では、それぞれの注意点をまとめます。
~危険なポイント~ | ~危険な理由~ |
---|---|
カーブ | 曲がる時にスリップしやすい |
坂道 | 上り坂が登れない、下り坂で止まれない |
橋の上 | 雪が融けていても、凍結しアイスバーンになっている可能性がありスリップしやすい |
日陰 | 雪が融けにくく、凍結路面は凍ったままになりやすい |
段差 | 雪や氷が残りやすい |
トンネル | トンネルの出入口の路面が凍結しアイスバーンになっていることがある、強風に煽られる可能性がある |
分かりやすいポイントもあれば、橋の上やトンネルは盲点となりやすいです。橋の上やトンネルの出口は、風が強く吹くため雪が融けていても、それが凍結しアイスバーンになってしまう可能性があるのです。雪が融けているから大丈夫と思わず、注意して運転しましょう。
四輪駆動車が安心
雪が多いエリアの方は、四輪駆動の車を選ぶと安心できます。四輪駆動(4WD)とは、「4つのタイヤ全てが動力」となる車です。現在の日本で多く走行している車は、二輪駆動(2WD)で「前輪の2つ又は後輪の2つが動力」として機能し、残りの2つはただ転がっているだけという状態です。そのため、四輪駆動の方が、「たとえ前輪がスリップしても後輪が動力となり動いている」、というように雪道でも安定して走行できる可能性が高くなります。
スノーシューズで運転しない
スノーシューズでの運転は極力避けましょう。スノーシューズは、スニーカーやブーツなどと異なり分厚く運転に適していません。普段との感覚の違いから、アクセルやブレーキの踏み間違えや踏み込みすぎなどの原因になる可能性があります。運転する時は、運転しやすい靴を履くようにしましょう。
雪道で異変を感じたらするべきこと
雪道で異変を感じた時でも、急停車したり急ハンドルで車線変更するなどの操作をしてはいけません。他の車を巻き込んだ大事故につながる可能性があるためです。もし、車の異変を感じた時は、「周囲に知らせる」行動をとりましょう。では、どのように知らせれば良いか紹介します。
ブレーキランプを点滅
減速をする時は、ブレーキランプを点滅させることで後続車に知らせることができます。ブレーキを踏み続けるのではなく、何度か踏むポンピングブレーキを行うことでより後続車は分かりやすくなります。
クラクションを鳴らす
下り坂などでブレーキを多用し過ぎると、ブレーキが全く効かなくなることがあります。このような状況になったら、クラクションを鳴らし周囲に知らせましょう。また、エンジンブレーキを使用して減速しゆっくり停車させましょう。ブレーキが効かないからと焦らず、落ち着いて行動することが大切です。
ハザードランプを点灯
視界が悪くなった場合は、ハザードランプを点灯させましょう。視界が悪い場合は、前の車の発見が遅れ、追突事故が発生する可能性があります。ハザードランプを点灯させることで、周囲の車に異常を知らせることができ、車の早期発見にも繋がります。
発煙筒で存在を知らせる
高速道路などで車が停止した場合は、発煙筒で存在を知らせましょう。発煙筒は車のすぐ近くではなく、少し距離を離して置くことをおすすめします。高速道路では、スピードも出ているので直ぐに停車できず、車線変更も急にはできません。少し離れた所に発煙筒を置くことで早めに知らせることができ、事故を未然に防ぐことができます。
ガソリン満タン・装備をして雪道運転を
雪道を走行する上で、スタッドレスタイヤの装着は必要不可欠です。スタッドレスタイヤは、雪道を走行するために製造されているタイヤなので、グリップ力があり安定して走行できます。しかし、スタッドレスタイヤを装着しているからと安心せず、「かもしれない運転」を心掛けましょう。「スリップするかもしれない」などを考えながら運転することで、とっさの判断に差が出て事故を回避できるかもしれません。
また、雪道を運転する時は、ガソリンを満タンに給油し、毛布やブースターケーブル、スコップといった冬装備を整えてから出発するようにしましょう。冬の道は何が起こるか分からないので、予め備えておくことが大切です。
まとめ
今回は、雪道での初心者が知っておくべき運転のコツや注意点について解説しました。雪道は、アイスバーンなどの多くの危険が潜んでいます。初心者の方は、急のつく運転をしてしまいがちですが、雪道では事故に繋がる危険な行動なので必ず避けましょう。
また、雪道で車の異常を感じた場合は、すぐに車を停めるのではなく、まず周囲に知らせる行動を取りましょう。冬場のタイヤは、必ずスタッドレスタイヤを装着させましょう。スタッドレスタイヤを装着させるだけで、雪道での車の安定感が増し安心して走行できます。初心者の方は、今回紹介した雪道運転の注意点や装備の準備などを抑えておくことで、雪道を安全運転で乗り切りましょう。
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。