タイヤのスリップサインとは?見方や仕組み、タイヤの寿命のチェック方法を詳しく解説

定期点検や給油の際、車を見たスタッフに「スリップサインが出ています。タイヤ交換が必要ですね」と言われる場合があります。スリップサインは、車に乗る人なら知っておきたい、タイヤの寿命を示すマーク。スリップサインがあらわれたタイヤは、速やかに交換しなければなりません。

今回のコラムは、タイヤのスリップサインに注目します。スリップサインとは何か、仕組みや意味、またスリップサイン以外にもあるタイヤの寿命サインなどを解説します。
安心して車に乗るために、知っておいて損はない情報が満載です。ぜひ、最後までご覧ください。

▼この記事最後までを読んでわかること
・タイヤのスリップサインとは何か、意味
・車種別・備えるべき残溝
・スリップサインが見えた時の危険性
・スリップサイン以外のタイヤの寿命
・タイヤ流通センターなら安く交換できること

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タイヤのスリップサインとは

スリップサインは、タイヤの寿命(使用限界)を示すマークです。スリップサインの位置と仕組みを解説します。

スリップサインの位置

スリップサインは、タイヤの側面(サイドウォール)にある「△」マークを、トレッド(接地面に刻まれた溝)側にたどった先にあります。

走行面と平行に走る太い溝の内部に、わずかに盛り上がった場所がある、それがスリップサインです。

スリップサインの仕組み

スリップサインは、周囲のトレッドが摩耗するにつれて、徐々に表面に露出します。スリップサインとトレッドが同一平面状に並ぶようにあらわれた状態を「スリップサインの露出」といい、タイヤの寿命を示します。

タイヤのスリップサインの意味

スリップサインの露出は、タイヤの溝の深さが「1.6mm」になったことを意味します。

実は、タイヤが備えなければならない溝の深さは、道路運送車両法によって定められています。

私たちが日常で乗る乗用車は、少なくとも1.6mmの溝が残っていなければなりません。しかし、点検の都度、メジャーを持ち出して溝の深さを測るのは、手間がかかります。

そこで、溝の深さを一目で判断できるスリップサインをタイヤ側に整備しておき、目視で把握できるようにしています。

スタッドレスタイヤとスリップサイン

スリップサインは、すべてのタイヤに備えられたマークです。一方で、スタッドレスタイヤには固有の寿命を示すマークがあります。
スタッドレスタイヤとスリップサインの関係について、解説します。

スタッドレスタイヤに固有の「プラットホーム」

スタッドレスタイヤは、積雪路や凍結路でも安全に走行できるようにつくられています。滑りやすい路面を強固にグリップするためには、深く鋭利なトレッドが必要です。スリップサインが示す残溝1.6mmでは、冬の路面は走れません。

そこで、スタッドレスタイヤには、冬用タイヤとしての寿命を示すマーク「プラットホーム」が、スリップサインとは別に設けられています。

プラットホームの仕組みと位置

プラットホームは、仕組み自体はスリップサインと同じです。溝の内部に盛り上がりを作り、トレッドの摩耗とともに表面に露出し、寿命を知らせます。

プラットホームは、タイヤサイドウォールにある「↑(矢印)」をトレッド側にたどった先に見つけられます。

プラットホームが示す残溝

プラットホームの露出は、そのタイヤの残溝が「新品時の50%」になったことを示します。冬用タイヤとして十分に性能を発揮できるのは、新品購入からトレッドが50%になるまでだ、というわけです。

プラットホームが露出したタイヤは、冬用には使えません。スリップサインが出るまでは、夏タイヤとして使うこともできます。夏に「履きつぶす」つもりでスタッドレスタイヤを履き続けている人がいるのは、これが理由です。

ただし、スタッドレスタイヤは夏タイヤと比べて、柔らかいゴムでできています。夏の炎天下に走行すると、接地面積が必要以上に広くなり、転がり抵抗が増えて燃費が悪くなる可能性があります。

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車種別・備えるべき残溝

スリップサインがあらわれたタイヤは、車検を通過できません。車検ではタイヤのスリップサインが検査項目となっているためです。

目視でスリップサインを確認し、残溝が1.6mm未満ではないかと思われた車両は、実測にかけられます。

ちなみに、車両が備えるべき残溝は、車種によって異なります。車種別に、残溝がどの程度か解説します。

乗用車

乗用車が備えるべき残溝は、一律で1.6mmです。スリップサインがあらわれるまでは、タイヤを使用できます。

ただ、タイヤが本来の性能を十分に発揮するには、4mm程度の溝が残っている状態が望ましいといわれます。タイヤの残溝は定期的に点検し、少なくなってきたと感じたら、早めに交換を検討したほうが良いでしょう。

小型トラック

小型トラック(積載量が2トン以下)は、使用する道路によって備えるべき残溝が変わります。

一般道のみを走行する場合、スリップサインが露出する1.6mmまでタイヤを使って構いません。一方、高速道路を走行する車両には、2.4mmの残溝が必要です。乗用車より車重が大きいために、より深い残溝が求められます。

大型トラック・バス

大型トラックやバスは、一般道ではスリップサインがあらわれる残溝1.6mmまで使用が許可されています。高速道路を走る場合、車重を鑑みて、残溝は3.2mm必要です。

スリップサインが露出したタイヤは罰則対象

「スリップサインがあらわれたタイヤは使用不可」と、法律で定められています。

タイヤには複数箇所にスリップサインがあり、このうち1箇所でも露出していると違反となります。

スリップサインがあらわれたタイヤの使用が見つかると、罰則が課されます。

違反点数 普通車:2点大型車:2点
罰金 普通車:9,000円大型車:12,000円

日ごろからタイヤを点検する癖、また点検の際にはスリップサインをチェックする癖をつけ、残溝に気をつけるようにしましょう。

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スリップサインが露出したタイヤの危険性

スリップサインは、タイヤの使用限界をあらわします。「限界」というだけあり、スリップサインが露出するまでにトレッドが摩耗したタイヤは、さまざまな危険に直面します。

滑りやすくなる

スリップサインが露出したタイヤは、トレッドが十分に残っていません。トレッドは、地面のグリップのためにはたらく大切な部分。トレッドがないタイヤは地面をガッチリと捉えることができず、滑りやすくなります。

ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる

スリップサインが設置されている太い溝は、タイヤと地面の間にある水を排出するはたらきも果たしています。

この太い溝が摩耗すると、排水効率が低下してしまいます。結果、タイヤと地面の間に水の膜が残り、タイヤを浮き上がらせる「ハイドロプレーニング現象」のリスクが高まります。

ハイドロプレーニング現象に遭うと、ハンドル操作もブレーキも利かなくなり、大変危険です。

スリップサイン以外にもある、タイヤの寿命サイン

タイヤの寿命は、スリップサイン以外の箇所にもあらわれます。タイヤの寿命を判断できる方法を、4つ解説します。

ゴムの状態

タイヤの原料であるゴムは、直射日光や風雨、紫外線などの影響で劣化・硬化します。劣化・硬化が進むと、パンク・バーストなどの危険性が増します。ゴム本来のしなやかさが失われるため、グリップ力が弱まり、ハンドル操作がタイヤに伝わりにくいと感じるかもしれません。

オフシーズンに直射日光が当たる場所で保管していたり、厳しい環境を走行する機会が多いタイヤなども、劣化・硬化しやすくなります。

タイヤの傷

気づかないうちに、タイヤに傷がついている場合があります。傷は、劣化により発生する場合もあれば、縁石にぶつけるなどの物理的な要因で発生する場合もあります。

タイヤは頑丈に見えるため、小さな傷なら気にしない人も多いでしょう。しかし、考えてみれば、タイヤは4本で1トン?2トンもの重さを支えているのです。はじめは小さかった傷が、あれよあれよという間に広がるおそれも、ゼロではありません。

また、表面に見えなくても、内部で傷が広がっている場合もあります。強い衝撃を与えてしまった場合などは、速やかに整備工場やタイヤ専門店などで点検してもらいましょう。

走行距離

走行距離からも、タイヤの寿命を予測できます。乗用車向けの一般的なタイヤは、約5,000km走行ごとにおよそ1mm摩耗するといわれます。

新品の夏タイヤには、約8mmの溝が残っています。計算すると、約32,000km走行すると、溝が8mmから1.6mmにまで減ることがわかります。

新品夏タイヤを装着し、30,000km程度走行したら、そろそろ寿命だと考えて良いでしょう。

※実際の摩耗度合いは、走り方や環境によって異なります。

製造からの経過年数

タイヤメーカーは、おおむね5年程度を寿命と定めています。製造から5年ほど経つと、未使用タイヤでも硬化が進み、性能を発揮できなくなるためです。

タイヤの内部も劣化や傷みが進行しているおそれがあります。製造から5年を、タイヤの寿命の目安と考えてください。

タイヤの製造時期は、サイドウォールの刻印で確認できます。サイドウォールにある4桁の数字を見つけてください。数字の上2桁が「製造週目」を、下2桁が「製造西暦」を示します。「〇〇1822」とあれば、2022年の18週目、つまり4月に製造されたタイヤだということです。

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スリップサインの露出を早める2つのポイント

スリップサインは、1本のタイヤに4~9箇所あります。このうち、1箇所でも露出したタイヤは、使用できません。残りの部分の溝が、どれだけ十分に残っていても、です。

タイヤを部分的に摩耗させる「偏摩耗」は、特定箇所のスリップサインの露出を早めます。空気圧が適正でないと、タイヤのトレッドが均等に接地せず、偏摩耗を引き起こします。

空気圧不足 タイヤの両側の摩耗が進みやすくなる
空気圧過多 タイヤ中央の摩耗が進みやすくなる

適正空気圧は、運転席側ドアを開けた部分に、シールで示されています。定期的に空気圧をチェックし、最適な圧力に保つよう意識しましょう。

あわせて、車体のバランスの崩れも、特定箇所に荷重をかけ、偏摩耗を引き起こします。整備工場やタイヤ専門店で、バランスを整える「アライメント調整」をしてもらうと良いでしょう。

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まとめ

タイヤのスリップサインは、タイヤの使用限界を示すマークです。残溝が1.6mmになるとあらわれます。1箇所でもスリップサインが出たタイヤは、使用し続けてはいけません。速やかに、新しいタイヤに交換しましょう。

スタッドレスタイヤの場合は、スリップサインよりも早い段階で、冬タイヤとしての使用期限が来ます。プラットホームと呼ばれる、新品から50%摩耗が進むとあらわれるマークを、寿命の目安にしてください。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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