低燃費タイヤって効果があるの?ノーマルタイヤとの違いを徹底比較
燃費の向上にはクルマの乗り方だけではなく、タイヤの性能も関係していることはご存じでしょうか?エコな走行には「低燃費タイヤ」がピッタリ!
今回は、低燃費タイヤの効果とノーマルタイヤとの違いについて比較していきます。
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目次
低燃費タイヤとは?
低燃費タイヤは、環境の性能と安全の性能の両方が一定の基準値をクリアしているタイヤのことをいいます。別名「エコタイヤ」とも呼ばれ、2010年から普及し、近年では8割の水準が低燃費タイヤを使用しています。
環境の性能は、おもに「転がり抵抗性能」、安全の性能は「ウェットグリップ性能」を差します。これらは一体、どのような性能なのか詳しく見ていきましょう。
環境の性能「転がり抵抗性能」
転がり抵抗性能とは、タイヤが回転した時に進行方向と逆向きに生じた抵抗力のことを言います。
タイヤの転がり抵抗は「タイヤの変形」「接地摩耗」「空気抵抗」の3つの要因から成り立っていますが、約9割がタイヤの変形から寄与しています。
タイヤの転がり抵抗を低減することで燃費が向上、クルマのCO₂排出量が削減されるので地球に優しく、環境貢献ができます。
JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)の調査によると、転がり抵抗の数値からタイヤ使用時の CO2排出量を算出したところ、2006年から2016年の10年間で、低燃費タイヤ使用によるCO₂排出量削減効果は34.1kg(13.9%)/本となりました。
前回調査した 2006 年から 2012 年の6年間の CO2排出量削減効果は 18.5kg(7.5%)/本でしたので、2012年から2016年の4年間で約2倍のCO2排出量削減に成功していることが分かります。
参考元:JATMA「乗用車用タイヤの転がり抵抗低減によるCO2排出量削減効果について」
安全の性能「ウェットグリップ性能」
路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力)のことを言います。
ウェットグリップは排水性を高めるパターン(溝)と、タイヤを路面に広く接地させるよう、柔らかいコンパウンドを使うことでグリップ性能が高まります。
転がり抵抗とウェットグリップの関係性
転がり抵抗とウェットグリップ力は相反します。
タイヤの転がり抵抗を良くするとウェット路面でのグリップ力が悪くなる傾向にありますが、技術改良を重ね、現在の性能は向上しています。
低燃費タイヤの特徴
低燃費タイヤは、ラベリング制度を運用しています。
タイヤの購入時に、消費者が転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の効果がひと目で分かるよう、等級分けしてラベル表示しているものです。
2010年1月、JATMAがグレーディングシステム(等級制度)に基づき、業界自主基準として策定され、現在では14社の主要タイヤメーカーが参画しています。
それでは、グレーディングシステムについて詳しく見ていきましょう。
グレーディングシステム(等級制度)とは
転がり抵抗性能は、グレードAAA〜Cまでの5等級、ウェットグリップ性能は、グレードa〜dの4等級に分けられます。以下に等級別に表にまとめました。
転がり抵抗係数 RRC (単位N/kN) |
等級 | ウェットグリップ性能 G (単位-) |
等級 |
---|---|---|---|
RRC≦6.5 | AAA | 155≦G | a |
6.6≦RRC≦7.7 | AA | 140≦G≦154 | b |
7.8≦RRC≦9.0 | A | 125≦G≦139 | c |
9.1≦RRC≦10.5 | B | 110≦G≦124 | d |
10.6≦RRC≦12.0 | C |
なかでも、上記の色分け範囲内にあるタイヤが「低燃費タイヤ」と定義されています。
ラベル表示の見方
販売している低燃費タイヤには以下のようなラベルが表示されています。
画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会JATMA
この場合、転がり抵抗性能のグレードがAA、ウェットグリップ性能のグレードがcと表示されているので、低燃費タイヤとなります。
画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会JATMA
低燃費タイヤには、上記のような「低燃費タイヤ統一マーク」が表示されているので、購入の際には、こちらのマークを目安にすると良いでしょう。
燃費の向上
転がり抵抗のグレードが1つ上がると、燃費が約1%程度改善されると言われています。
例えば、転がり抵抗性能のグレードがCのタイヤから、グレードがAAAのブリジストン「エコピア」に履き替えた場合、燃費が4%向上することが実証されています。
これは、平均燃費10km/L、ガソリン価格165円/Lで年間で12,000km走行したとして、1年間でトータル7,920円もお得になります。
低燃費タイヤとノーマルタイヤの違い
低燃費タイヤとノーマルタイヤはどのような違いがあるか比較していきましょう。
タイヤ交換時期
ノーマルタイヤの交換時期は、一般的に走行距離3万km、もしくは3〜5年の間が寿命とされています。低燃費タイヤは偏磨耗しにくい構造で出来ているため、ノーマルタイヤの交換時期にさらに1~2万km上乗せした期間でも十分持つと言われています。
タイヤ重量
低燃費タイヤは転がり抵抗を削減するため軽量に作られているタイヤがほとんどです。
軽量化することで、より少ないエネルギーでタイヤを回転させるメリットがあります。
気になる方は、一度量販店で低燃費タイヤとノーマルタイヤを同時に持ち上げて比べてみてください。重量差がすぐに分かりますよ。
燃費
ノーマルタイヤから低燃費タイヤに履き替えると、燃費が1〜5%向上すると言われています。
一般道や高速道路の道路状況や、低燃費タイヤのグレードなどにもよりますが、タイヤの燃費への寄与率が向上することが分かっています。
参考元:JATMAタイヤの性能と技術より「タイヤの転がり抵抗とは?」
価格
同じメーカー・同じサイズで比較しても、低燃費タイヤはノーマルタイヤに比べて約2,000円前後高くなっています。
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失敗しない低燃費タイヤの選び方
実際に低燃費タイヤを購入する際、どのような点に気を付ければよいでしょうか。
ここからは、失敗を防ぐ低燃費タイヤの選び方について見て行きましょう。
①グレードだけではなく、性能も考える
低燃費タイヤを選ぶ際にはもちろんグレードも大切ですが、グレードばかりに気を取られているとタイヤ選びの失敗に繋がってしまいます。
タイヤにはグレードの他にも、静かで快適な乗り心地を目指す静粛性や、摩耗に強くて長持ちする耐久性などの性能も備えています。
少し前まではグリップ力の弱さがデメリットとなっていた低燃費タイヤも、構造やゴムの成分を見直して「新世代エコタイヤ」と呼ばれるほどだいぶ改善されました。
グレードの他に、何の性能を重視したいか良く考えてから選びましょう。
②クルマに合った低燃費タイヤを選ぶ
低燃費タイヤは、軽自動車を始め、商用車、SUV、スポーツカーと全車種に対応している豊富なラインナップです。コンパクトカー用、RV用と車種のタイプ別に分かれているので、自分のクルマのタイプに適合する低燃費タイヤを選びましょう。
③純正もしくは装着しているタイヤと同じサイズを選ぶ
タイヤを選ぶ際に必ず忘れてはいけないものがタイヤのサイズの確認です。
サイドウォールと言われるタイヤの側面の部分に、メーカー名などと共に「165/55R15」と記載されている英数字がタイヤのサイズです。
この英数字はタイヤの幅、扁平率、ホイールサイズと必要な情報ですので、独断でサイズを変えてしまうとタイヤが取り付けられなくなってしまいます。
失敗を防ぐためには、純正サイズ、または現在装着しているタイヤと同じサイズを選びましょう。
もし、サイズ確認を忘れて分からない場合は、量販店ならスタッフを呼べば親切に教えてくれます。
④予算に合ったものを選ぶ
低燃費タイヤはノーマルタイヤに比べて少々割高になっています。さらには低燃費タイヤのなかでもノーマルタイヤと同じように種類がグレードがあります。多くを望めばその分価格も上がり、予算が苦しくなってくるでしょう。タイヤの価格は燃費の良さと比例するわけではありません。
コストパフォーマンスを優先するのなら、いま乗っているクルマをあと何年乗るか考えたり、低燃費タイヤの寿命と照らし合わせて考えるのも良いでしょう。
まとめ
今回は、低燃費タイヤの効果と、ノーマルタイヤとの違いについて説明しました。
低燃費タイヤは、エコカーと呼ばれる車種にはすでに標準装備されていることもあります。燃費が良ければ地球にもお財布にも優しい低燃費タイヤ。グレードはもちろん、性能にも重視してクルマにピッタリな低燃費タイヤをお探しください。
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現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。