低燃費タイヤと転がり抵抗性能

エコタイヤ

「低燃費タイヤ」という言葉を耳にされたことはありますでしょうか?もしかすると、「エコタイヤ」という呼び方が分かり易いかもしれません。今回はこの「低燃費タイヤ」について取り上げてみたいと思います。日本自動車タイヤ協会(JATMA)が公表している内容を基にお伝えしていきます。

 

1. 低燃費タイヤの定義

はじめに低燃費タイヤの定義づけですが、これは「日本自動車タイヤ協会(JATMA)」の設定するタイヤのラベリング制度に基づいて行われています。同ラベリング制度はタイヤの「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」をグレーディングする事により、性能に関わる情報を視覚化して提供していくものです。この制度において設定値以上にグレーディングされたものが「低燃費タイヤ」とされます。認定されたタイヤには統一マークとグレーディングが表示されています。

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☆低燃費タイヤのラベリング例:

エコタイヤ

低燃費タイヤ・『低燃費タイヤ統一マーク』

転がり抵抗性能がA以上、ウェットグリップ性能がa~dにグレーディングされるタイヤが『低燃費タイヤ(エコタイヤ)』とされます。

転がり抵抗性能・転がり抵抗性能   ウェットグリップ性能・ウェットグリップ性能

こちらのラベリングでは「転がり抵抗性能がAA」、「ウェットグリップ性能がc」とグレーディングされています。どちらの性能も低燃費タイヤの定義を満たす為、統一マークを表示可能な『低燃費タイヤ』となります。

 

エコタイヤ

2. 低燃費タイヤの効果

「低燃費」という位なので、もちろん燃費向上効果を期待出来ます。また、燃費が向上するということは、CO2の排出削減にも繋がります。つまりはお財布と環境に優しくなるということです。

 

この様な効果を得るのに重要と言えるのが「転がり抵抗性能」です。転がり抵抗とは車の進行方向と逆向きに生じる抵抗力です。この抵抗力は、

 

① タイヤの変形     ② 設置摩擦     ③ 空気抵抗

の3つで構成されています。そのうちタイヤの変形による寄与が最も大きく、約9割を占めています。これらの3要素を低減することにより、「低燃費タイヤ」は転がり抵抗性能を高めて(=転がり易い)います。ちなみに、タイヤの変形による寄与が最も大きいということは、タイヤの空気圧管理も非常に重要であると言えます。これについてはまた別の機会に取り上げたいと思います。

 

3. 転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の関係性

転がり抵抗を低減(=良く)すれば、ウェット路面での制動距離は伸びる(=悪化)傾向にあります。つまり、それぞれの性能は背反するものと言えます。これが低燃費タイヤの定義に両者がピックアップされている理由でもあります。ウェット性能については別コラムでも取り上げておりますので、ぜひそちらもご確認下さい。

タイヤ選びとウェット性能

ウェットグリップ性能

転がり抵抗を低減しながらウェット性能も犠牲としないために、各タイヤメーカーはトレッドパターンの改良による排水性向上やゴムの材料更新といった技術革新を実現。背反する性能を持ち合わせる製品を世に送り出しています

 

いかがでしょうか?低燃費タイヤ(エコタイヤ)はよく耳にする言葉となってきましたが、実は非常に深い世界観を持つタイヤなのです。ご興味をお持ちになった方はぜひその世界を探ってみて下さい!

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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