オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違いは?つくりや性能を徹底比較

「オールシーズンタイヤが気になるけれど、やはり冬はスタッドレスタイヤを履くべき?」「オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤは、結局何が違うのか?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

今回は、近年注目されているオールシーズンタイヤと、冬といえば!のスタッドレスタイヤを徹底的に比較します。冬も走れる点では共通する両者ですが、実はタイヤのつくりや適応車種など、さまざまな違いが見つかりました。

最後まで読むと、オールシーズンタイヤについて詳しくなれること、間違いありません。それでは早速、始めましょう。

▼この記事を最後まで読んでわかること
・オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違い
・主要メーカーでそれぞれのタイヤの性能を比較
・それぞれのタイヤがおすすめの人
・タイヤ流通センターなら激安でタイヤ交換ができる

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オールシーズンタイヤとは


オールシーズンタイヤとは、名前のとおり1年を通して装着できるタイヤです。夏の乾いた路面から雨が降ったウェット路面、さらに冬の雪道まで走破します。

オールシーズンタイヤは欧米ではすでに一般的。普及率は6〜7割とも、8〜9割ともいわれます。

日本でも徐々に認知が進んでおり、タイヤメーカー各社が新しいオールシーズンタイヤの開発に余念がありません。

平均気温が上昇し、雪が降らない日数が増えると考えられる今後、オールシーズンタイヤはユーザーにとってもメリットが大きなタイヤです。

<注意>スタッドレスタイヤが必要な地域もある!

オールシーズンタイヤは確かに、雪上も走行できます。ただし、対応可能な雪は、都市部に降る数センチ程度の積雪や、圧雪された雪です。

山間部にしっかりと積もる雪や、新雪にはスタッドレスタイヤが向いています。また、凍結した路面も、オールシーズンタイヤは走行できません。

「冬は連日氷点下」「毎年、雪かきが相当大変」という地域にお住いの方は、これまでどおり晩秋にスタッドレスタイヤへ交換するようにしましょう。

オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違いを比較


オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤは、どのような違いがあるのでしょうか。

  • タイヤのつくり
  • 適応車種
  • 走行可能な路面
  • タイヤ交換の頻度

以上の4つの観点からオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違いを比較します。

タイヤのつくり

オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤは、そもそもタイヤのつくりが異なります。

トレッドパターンの比較

トレッドパターンとは、タイヤに刻まれた溝です。トレッドパターンは、タイヤのグリップ力や制御性能を左右する、大切なポイント。
このトレッドパターンが、オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤでは異なります。

オールシーズンタイヤのトレッドパターンは、夏のドライ&ウェット路面にも、冬の雪道にも対応できる性能が求められます。排水性能と、雪をせん断する性能を両立するトレッドパターンが刻まれています。
現在、主流のトレッドパターンはV字シェイプです。雪が中心方向に凝縮され、固められることで、雪上グリップに強みを発揮します。

一方、スタッドレスタイヤには、細かい溝がたくさんあるトレッドパターンが刻まれています。溝が多いほど、ゴムの角で氷をひっかき、前進しやすくなるためです。
取り込んだ雪を効率良く排出できるよう、サイドに流すための溝が多いのも、スタッドレスタイヤならでは。サイドを見るだけで、スタッドレスタイヤだと区別できます。

コンパウンドの比較

コンパウンドは、タイヤを作っているゴムの素材です。ゴム素材も、オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤでは異なります。

重量のある車体を支え、路面と常に接しているタイヤのゴムは、摩耗します。そして、ゴムは柔らかい方が摩耗が進みやすいです。柔らかいゴムのほうが接地面積が大きいためです。

コンパウンドは、タイヤメーカー各社とも「オールシーズンタイヤ専用」「スタッドレスタイヤ専用」のものを開発します。

オールシーズンタイヤは、夏の熱された路面も冬の冷たい路面も走れるよう、頑強さとしなやかさを両立している点が特徴。マイクロレベルのポリマーやシリカを配合するなど、工夫が凝らされています。

スタッドレスタイヤのコンパウンドには、ツルツルと滑りやすい氷上もしっかりグリップできる性能が求められます。夏タイヤより柔らかく、氷の形状に合わせて柔軟につかむ素材が採用されています。

ただ、コンパウンドの柔らかさゆえに、転がり抵抗(タイヤが路面を転がるときに生じる抵抗)が大きくなり、摩耗も進みやすくなる点が、スタッドレスタイヤの悩ましいポイントです。

適応車種

オールシーズンタイヤは日本で普及しはじめたばかりという事情もあり、対応車種はスタッドレスタイヤに軍配が上がります。

スタッドレスタイヤがすべての車種を網羅するのに対し、オールシーズンタイヤはスポーツカーやバン、商用車などに適合する製品がほとんど見られません。

次の章で、主要メーカーのオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤを比較しています。対応車種もまとめていますので、合わせてご覧ください。

走行可能な路面

オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤでは、走行できる路面も異なります。下表は、タイヤ種類ごとに走行可能な路面をまとめたものです。

オールシーズンタイヤはドライ・ウェット・シャーベット・圧雪が「〇」となっていますが、凍結しアイスバーンになった路面は△です。タイヤメーカーもオールシーズンタイヤでの凍結路走行は推奨していません。あくまで、数センチの雪や急な降雪に対応できるタイヤだと考え、本格的な雪道・凍結路走行ではスタッドレスタイヤを装着してください。

一方のスタッドレスタイヤは、冬の路面は問題なく走行できます。ドライ&ウェット路面は「△」。これはドライ路面は転がり抵抗が大きく摩耗しやすいこと、水を効果的に排出するトレッドパターンではないことが要因です。ただ、走行してはいけないわけではありません。

高速道路に冬用タイヤ規制が入った場合、オールシーズンタイヤでも問題なく走行できます。冬用タイヤチェーン規制のかかった高速道路を走る場合は、スノーフレークマークがついたオールシーズンタイヤがおすすめです。

<Tips>スノーフレークマークとは?

ATSM(米国試験材料協会)規格で、厳しい寒冷地でも十分な性能を生かせると認められた証です。

タイヤ交換の頻度

オールシーズンタイヤは、基本的に1年を通じてタイヤ交換が必要ありません。一度装着すれば、タイヤの寿命が到来し、新しいタイヤに交換するまで履き続けられます。
オールシーズンタイヤのタイヤは、3〜5年といわれます。

スタッドレスタイヤは、季節ごとに夏タイヤとの交換が必要です。1年に2回、かならずタイヤ交換をしなければなりません。

<Tips>オールシーズンタイヤの寿命はどこで判断できる?

オールシーズンタイヤの寿命は、夏タイヤ・スタッドレスタイヤと同じように判断します。

プラットホームと呼ばれる、溝の残りが50%になったことを示すマークが露出したら、冬用タイヤには使えません。また、残り溝1.6mmで露出するスリップサインがあらわれると、夏タイヤとしての寿命がきたと判断します。

主要メーカーのオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤを比較


ここからは、国内主要メーカーのタイヤをピックアップし、オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの違いを具体的に検証します。
チェックするメーカーは、以下の3社です。

  • YOKOHAMA(ヨコハマタイヤ)
  • DUNLOP(ダンロップ)
  • GOODYEAR(グッドイヤー)

YOKOHAMA

YOKOHAMAからは、オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」と、スタッドレスタイヤ「iceGUARD 7」を比較します。
基本的な性能は、下表のとおりです。

オールシーズンタイヤ スタッドレスタイヤ
製品名 BluEarth-4S AW21 iceGUARD 7
サイズ 14~20インチ 13~21インチ
対応ボディタイプ ミニバン
セダン・クーペ
コンパクトカー
SUV
※SUV専用「GEOLANDAR CV 4S」もある
軽自動車
ミニバン
セダン・クーペ
スポーツカー
コンパクトカー
SUV
性能のポイント 接地面積の広いトレッドパターン
夏タイヤ同等のウェット性能
氷上・雪上に特化したトレッドパターン
ウルトラ吸水ゴム

YOKOHAMAのオールシーズンタイヤは、V字のトレッドパターンが特徴的です。全方向への制御力が強く、安定して走行できます。また、細かく刻まれた溝が雪を力強くつかみ、効率良く排出します。

一方、スタッドレスタイヤは、雪上・氷上で求められる性能に特化したトレッドパターンが刻まれます。独自の素材「ウルトラ吸水ゴム」は、ナノレベルのポリマーが氷に密着し、しなやかな走行を可能にしています。

サイズ展開は、スタッドレスタイヤの方が豊富です。オールシーズンタイヤは13インチ/21インチがないため、軽自動車や新型クラウン等に乗る人は注意しましょう。

DUNLOP

DUNLOPからは、オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX AS1」と、スタッドレスタイヤ「WINTER MAX 03」を比較します。

基本的な性能は、下表のとおりです。

オールシーズンタイヤ スタッドレスタイヤ
製品名 ALL SEASON MAXX AS1 WINTER MAX 03
サイズ 13~20インチ 13~21インチ
対応ボディタイプ セダンミニバンコンパクトカー軽自動車SUV セダンミニバンコンパクトカー軽自動車SUVバン・商用車
性能のポイント 深く刻まれた溝で高排水夏タイヤ感覚で走れる静粛性能 氷の形状に合わせて噛みあう構造摩耗してもパターン効果を維持

https://tyre.dunlop.co.jp/special/studless/
https://tyre.dunlop.co.jp/special/studless/

DUNLOPのオールシーズンタイヤは、交差したトレッドパターンがしっかりと雪を踏み固め、高いブレーキ性能を発揮します。ウェット性能も夏タイヤを上回る性能を持っており、まさにオールシーズン安心して装着できるタイヤです。

一方、スタッドレスタイヤは常に変化し続ける氷表面の形状に合わせ、隙間なく噛みあうやわらかなコンパウンドが特徴です。何層にも重ねられた特殊構造が、常に新しい溝を生み出し、最後まで性能を維持します。

GOODYEAR

DUNLOPからは、オールシーズンタイヤ「Vector 4Seasons Hybrid」と、スタッドレスタイヤ「ICE NAVI8」を比較します。
基本的な性能は、下表のとおりです。

オールシーズンタイヤ スタッドレスタイヤ
製品名 ALL SEASON MAXX AS1 WINTER MAX 03
サイズ 13~20インチ 13~21インチ
対応ボディタイプ セダンミニバンコンパクトカー軽自動車SUV セダンミニバンコンパクトカー軽自動車SUVバン・商用車
性能のポイント 深く刻まれた溝で高排水夏タイヤ感覚で走れる静粛性能 氷の形状に合わせて噛みあう構造摩耗してもパターン効果を維持

DUNLOPのオールシーズンタイヤは、路面をガッチリとつかむ独特の構造「3Dワッフルブレード」が、あらゆる路面で最適な走りを実現します。高いグリップ力と、その性能発揮のために専用開発されたコンパウンドが特徴です。

スタッドレスタイヤは左右非対称なトレッドパターンで、旋回時の安定性を向上。細かい溝を切り込み、氷上のひっかき性能も高めました。また、スタッドレスタイヤにもかかわらず、夏タイヤ同等の転がり性能を実現。長持ちするスタッドレスタイヤが欲しい人におすすめです。

オールシーズンタイヤがおすすめの人、スタッドレスタイヤがおすすめの人


オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤは、おすすめできる人が異なります。比較してみましょう。

オールシーズンタイヤがおすすめ ・降雪が少ない、凍結がほぼない地域に住んでいる
・冬、山間部へはあまり行かない
・スタッドレスタイヤの交換や保管が面倒
・突然の雪に備えておきたい
スタッドレスタイヤがおすすめ ・冬は積雪、凍結がある地域に住んでいる
・冬、山間部へ頻繁に出掛ける

オールシーズンタイヤは、晩秋と初春のタイヤ交換が不要です。交換用のタイヤを保管するスペースも必要ありません。

スタッドレスタイヤは夏タイヤと交換した際に、次のシーズンまで保管が必要です。自宅に保管場所がない場合は、レンタル倉庫やタイヤ保管サービスを利用しましょう。

タイヤのご相談は専門店「タイヤ流通センター」へ

オールシーズンタイヤは、タイヤメーカー各社が力を入れる成長分野です。2024年10月にはDUNLOPから「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」という新しいオールシーズンタイヤが発売されるなど、目下“熱い”タイヤといって良いでしょう。

ただ、良く知られているスタッドレスタイヤや夏タイヤと異なり、どのような観点に注目して選べばよいか、迷う人も少なくありません。タイヤ選びに迷ったら、タイヤ専門店への相談がおすすめです。

タイヤ流通センターは、全国に180店舗を展開する日本最大級のタイヤ専門店。国内メーカーをはじめ、ヨーロッパやアジアのメーカーのタイヤも網羅し、どこよりも充実したラインナップを誇ります。

タイヤに詳しい専門スタッフも常駐しています。オールシーズンタイヤをはじめ、タイヤのことなら何でもお任せください。

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まとめ

オールシーズンタイヤは、夏の路面も雪道も走行可能な、1年を通して履き続けられるタイヤです。タイヤ交換の手間が不要であること、また温暖化で降雪が減っていることなどを受け、今後国内でも普及が見込まれています。

スタッドレスタイヤとの最大の違いは、氷上を走れるかどうか、です。オールシーズンタイヤは数センチの雪や圧雪路面は走れますが、凍結路には不向きです。一方、スタッドレスタイヤはアイスバーンになった道路も安全に走行します。

普段のカーライフや理想の走りをイメージし、最適なタイヤを見つけましょう。

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