アジアンタイヤと国産タイヤの違いとは?選び方のポイントをご紹介
タイヤ交換が必要になった場合、日本ブランドや、輸入品である海外タイヤメーカーなど数多く存在するタイヤの中から、1種類を選択することは、誰しも迷います。値段が高いか安いかの価格競争だけでなく、各メーカーの性能、乗り心地、静粛性向上の技術は、時代とともに進化しています。
そんな中、世界でもトップレベルの国産タイヤに負けない、安く高品質なアジアンタイヤが高く評価され、日本国内でも販売台数を伸ばしています。アジアンタイヤを知ることは、失敗しないタイヤ選びに繋がります。
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目次
アジアンタイヤとは?
アジアンタイヤとは、日本以外のアジア諸国で生産されたタイヤを指します。
特に中国、台湾、韓国、シンガポールなどのタイヤメーカーの世界進出が多く、
国内のカー用品店でも目にする機会が多くなりました。
しかしその反面、ネガティブイメージとして、日本メーカーの一般的なタイヤの販売価格より、安くリーズナブルな価格設定の為、低品質で粗悪品な印象を持たれがちです。
しかし現実は異なり、アジアンタイヤメーカー各社の企業努力により長い年月をかけ、数々の実績を積み上げ、着実に世界中の大手に負けない商品づくりを行っています。
実は、数社の日本企業を抑え、世界のタイヤ販売ランキングのTOP10に、ハンコック(韓国)や中策ゴム(中国)、正新ゴム(台湾)が入っています。
また、アジアンタイヤ各社は、日本にとどまらず、世界中の自動車、バイク、自転車メーカーなどの純正タイヤに採用されたり、世界各国の様々なレースシーンにおいて好成績を挙げている実績もあります。
▼参照元
タイヤメーカーランキング – 自動車春秋社
人気のアジアンタイヤメーカー5選
アジアンタイヤは、これまでの大手タイヤメーカーがひしめいていたタイヤ産業の業界地図を塗り替えんばかりの勢いがあります。その中から、世界や日本で 人気あるアジアンタイヤメーカーを5つ紹介します。
KENDA(ケンダ)
1962年創業の台湾のメーカー。「高品質なタイヤをリーズナブルな価格でお届けする」 という企業ミッションを掲げるメーカーです。自転車やバイクのタイヤ製造から始まり2001年より自動車用ラジアルタイヤを販売開始しました。
現在は自動車、バイク、自転車以外でも小型トラック、トレーラー、ゴルフカート、福祉介護車など、世界150か国以上で販売されています。モータースポーツでは日本のドリフトバトルで有名な「FOMURA DRIFT JAPAN」のオフィシャルスポンサーを務めています。
「KENDAのある暮らし」を提唱する安心感を提供する背景には、オンロード、オフロード 問わず、モノづくりへのこだわりを感じさせるメーカーと言えます。
KUMHO(クムホ)
何と言っても世界中の自動車メーカーへのOEM供給実績が多い、韓国のメーカーです。1946年のタクシー事業から始まり、1960年代にバス事業を通じて、バスに使用するタイヤ 確保のため、タイヤ事業に参入しました。
クムホタイヤは、コストパフォーマンスに優れた タイヤづくりはもちろんのこと、ブランドアイデンティティに、タイヤ本来の本質である 「世界中のあらゆる道路においても安全な移動を約束する「Better、All-WAYS(ベターオールウェイズ)」を掲げていることからも裏付けがとれる数々の実績を世に示しています。
2017年CRUGEN HP71が日本でグッドデザイン賞受賞(※3参照)や、世界のモータースポーツでも有名で、2006年のGT300クラスでタイヤ供給チームが韓国 タイヤメーカー初の優勝(※4参照)など、現在進行形で、輝かしい革新を続けています。
Hankok(ハンコック)
1941年、韓国初のタイヤメーカーとして激動の時代背景の中、創業しました。81年後の2022年現在は、ハンコックは韓国内約45%のシェアを持つ、世界販売第7位、約180か国以上で販売という韓国最大のタイヤメーカーにまで成長を遂げました。韓国内を走る自動車タイヤの約半分はハンコックといっても間違いありません。素晴らしいのは、欧州の名だたるメーカーへタイヤ供給していることが言えます。
静粛性ある高級車メルセデスベンツSクラスや、滑かなハンドリングと加速のBMW7シリーズの足元を支えるタイヤに選ばれ、最近では、ポルシェ電動スポーツカー「タイカン」、アウディの新型電動スポーツカー「e-tronGT」に採用など、世界の競争激化の環境を生き抜く技術とアイデアを兼ね備えたメーカーへと進化を遂げています。
NEXEN TIRE(ネクセンタイヤ)
1942年創業の韓国のメーカー。1956年に、韓国内の自動車用タイヤとしては、
ハンコックより早く生産開始。厳しい自然環境のヨーロッパで、「ロードストーン」ブランドを育て、ヨーロッパ規格「ETRTO」をクリアし、結果ポルシェ、アウディ、VWにも正式採用 される高い品質あるブランドに成長させました。
2016年のJ.D.POWERタイヤ満足度ランキング4位と日本が誇るブリヂストン、ヨコハマより上位に位置した実績も残しています。2017年にトヨタグループの総合商社である豊田通商とネクセンタイヤジャパンを設立し、本格的に日本市場へ参入を果たしました。
正新(チェンシン)ゴム工業㈱
MAXXIS(マキシス)ブランドが有名なメーカーです。1967年に台湾で、
正新ゴム工業㈱として創業し、自転車や、自動二輪業界で有名になりました。
今では世界160か国で販売され、現在では世界10位を誇るメーカーへ成長しています。
日本では4輪駆動のオフロード車や、モトクロスバイクの他、マウンテンバイク、ロードバイクなどの自転車用タイヤとして、マキシスのブランドロゴマークを目にする機会も多くなりました。
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アジアンタイヤと国産タイヤの比較
アジアンタイヤをより理解するために、有名な国産タイヤと比較してみます。
できるだけ公正に比較できるよう、1500ccから200ccの普通車用スタンダードタイヤをイメージし、サイズは「205/55R16」に統一しました。
アジアンタイヤと国産タイヤの比較
アジアンタイヤ | 名称・サイズ | 料金(1本) | 性能・乗り心地・燃費 |
---|---|---|---|
KENDA (ケンダ) | KUAVELA SL KR32 205/55R16 91V KR32 KUAVELA SL|商品詳細|街乗り、オフロードから本格レーシングタイヤまで日本の地面で最高のパフォーマンスを引き出すKENDAタイヤ (kendajp.com) |
8,800円 | 5ビッチ・トレッドデザインとケンダNMAテクノロジーが高い快適性と静粛性を実現。シリカ系ゴムが転がり抵抗を低減させるため、燃費向上に成功しました。 |
KUMHO (クムホ) | ECSTA HS51 205/55R16 91V クムホタイヤジャパン株式会社 – タイヤラインナップ – ECSTA HS51 (kumhotire.co.jp) |
7,300円 | トータルバランスに優れたタイヤ。高い排水性能が安定感抜群の高速走行を実現。耐摩耗性能を最適化させ燃費性能も向上させています。 |
Hankook (ハンコック) | LaufennG FIT as-01 205/55R16 91V G FIT AS 01(LH42) | コンフォート | Laufenn 日本 |
6,270円 | コストパフォーマンスに優れたタイヤ。バランス性能に優れたコンフォートタイヤ。新ノイズキャンセル技術で静粛性向上。 |
NEXEN (ネクセン) |
N’blue HD Plus 205/55r16 91V Nblue HD Plus | 株式会社ネクセンタイヤジャパン (nexentirejp.com) |
12,045円 | 日本タイヤ協会に性能データを届け出されている高品質タイヤ。ハイドロプレーニング現象を想定した設定で、優秀なブレーキ性能、ハンドリング性能ともに国産タイヤに負けない性能を持っています。 |
国産タイヤ | 名称・サイズ | 料金 | 性能・乗り心地・燃費 |
---|---|---|---|
ブリヂストン | ネクストリー205 205/55R16 91V NEXTRY(ネクストリー) – 株式会社ブリヂストン (bridgestone.co.jp) |
8,850円 | ブリヂストン製スタンダードタイヤ。独自のナノプロ・テックを採用したトレッドゴムにより、転がり抵抗を低減させました。最新の技術を取り入れながらリーズナブルな価格に抑えているのは企業努力の賜物です。 |
住友ゴム工業 (ダンロップ) |
エナセーブEC204 205/55R16 91V より長持ちする耐摩耗性能に優れ、経済的な低燃費エコタイヤ|エナセーブ EC204|【DUNLOP】ダンロップタイヤ 公式 |
9,525円 | 全モデルのEC203から耐摩耗性能4%向上し、耐偏摩耗性能16%も向上するなど、進化を続けるエナセーブ。耐久力が上がり、タイヤを長持ちさせることで本当のエコタイヤに生まれ変わっています。世界各国で勢いあるアジアンタイヤに負けないコストパフォーマンスの良い優良タイヤです。 |
横浜ゴム(YOKOHAMA) | エコス ES31 205/55R16 91V ECOS ES31_製品特長 – ヨコハマタイヤ [YOKOHAMA TIRE] (y-yokohama.com) |
8,685円 | 低燃費のスタンダードといえば エコスです。ロングセラーを続けている理由の一つに、ブルーアースの技術を加え、ウェット性能が従来モデルより、なんと14.1%も向上しています。さらに信頼性も向上しました。 |
※2022年2月現在の一例です
※タイヤの基本性能評価は、車種、運転する環境・地域性、個人の乗り方や価値観によって変わるものとご了承ください
※時期によって価格、モデルはメーカーにより変動、変更される場合があります
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料金・性能・乗り心地・燃費を基準にメリット・デメリットを比較
ここまでの話を基に、以下にまとめました。
アジアンタイヤのメリット
平均以上の性能のモデルでも低価格設定でリーズナブル
アジアンタイヤのデメリット
アジアンタイヤ各社は、日本国内のタイヤ公正取引協議会へ届け出されているタイヤが
少ないため、「転がり抵抗性能」「ウェットグリップ性能」「低燃費タイヤ性能」などの細かい情報が少ないと言えます。
国産タイヤのメリット
スタンダードタイヤでも上級タイヤに劣らない高い品質を持つ
国産タイヤのデメリット
上級モデルになると一本当たりの商品単価が上がるため、予算を組みづらい
アジアンタイヤと国産タイヤともにどんな方におすすめか?
最後にアジアンタイヤと国産タイヤがどんな方におすすめかについて説明します。
▼アジアンタイヤをおすすめの方
- 性能は最低限度備わっており、取り急ぎタイヤ交換が必要な方
- 街乗り中心で年間走行距離が少ない方
- とにかく安く抑えたいが、最低限度の品質は欲しい
このようなお考えの方にはアジアンタイヤがお勧めです。タイヤに詳しくなくても、安心できる品質を持っている為、金額優先であれば間違いない選択です。
▼国産タイヤがおすすめの方
- 運転が好き
- より細かいハンドリングや路面のトラクション性能を肌で感じたい方
- 低価格でも高性能タイヤを求めたい方
- タイヤを少しでも長く使いたい
このような内容を好む方は国産タイヤをお勧めします。理由は国産タイヤの多くは、タイヤ取引協議会へ届け出されているため、品質の情報がひと目で理解できます。
数値化されて品質が分かりやすいのが理由です。
▼参考資料
低燃費タイヤ等の届出データ(PDF)|タイヤの性能試験|タイヤ公正取引協議会 (tftc.gr.jp)
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アジアンタイヤを選ぶ時の簡単な3つのチェックポイント
ここでは初めてアジアンタイヤを選ぶ際に、抑えたい「3つのポイント」をご紹介します
※これまでご紹介したアジアンタイヤは以下に該当しています。
日本に販売代理店があること
販売代理店があるということは、在庫状況、品質管理、詳しい担当者がいるので
安心感があります。ショップ店頭に並ぶタイヤであればいずれもクリアしていると
考えられます。
注意点としては通販で買い専門店に取り付けてもらう場合です。日本に流通ルートがないタイヤの場合、取り付けに不具合があった場合、自己責任となる場合があるので注意が必要です。
自動車メーカーに供給があること
自動車メーカーにとって安心・安全の為の厳しい品質チェックは欠かせません。
一定の品質を保てないと定められた自動車の性能を引き出せないからです。そのため、自動車メーカーにタイヤ供給しているメーカーは,それだけで安心と言っても過言ではありません。
モータースポーツに参戦している
モータースポーツなどの様々なレースは、各タイヤメーカーの持ち得る最高技術の「しのぎ合い」と言えます。
チャレンジ精神なくしては長く過酷なレースによるタイヤの耐久力や、ブレーキングによる制動力、コーナーリングにも耐えうるグリップ力は生まれてきません。
限界値を目指すからこそ生まれる大切な技術力があるからこそ、通常走行である私たちユーザーへの信頼感に繋がります。
まとめ
ここまで取り上げたように、タイヤ購入の際は、アジアンタイヤも候補に入れることが合理的と言えます。予算や使い勝手に合わせて無駄のない買い物ができるからです。
勢いあるアジアンタイヤメーカーは今後も業界地図を塗り替えて行きます。これからも世界中のタイヤメーカー同士、切磋琢磨し、タイヤ市場が活性化することは、我々ユーザーには嬉しい結果に繋がります。
タイヤ流通センターでは、数種類のアジアンタイヤタイヤを取り使っています。スマホやPCから、クルマのメーカーと車種、ホイールサイズを選ぶだけのシンプルなステップで、その場で見積もりも可能です。お客様のことを考え、他店に負けない激安価格で販売中です。
またタイヤ代や工賃、廃タイヤ処分料などの明細も見られるので、「いくらかかるか分からなくて不安…」という心配もありません。
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現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。